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向山古墳にて。
社会体験学習に訪れた中学生に説明をする中さん |
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四国中央市の旧川之江地区を流れる金生川。そのほとりにある向山古墳(同市金生町)は、2003年から5カ年で調査が行われており、四国最大の墳丘を持つ古墳であることが分かっています。市の職員として当初から調査に携わっている中勇樹さん。古墳との関わり、考古学の面白さなど興味深い話を聞きました。
【向山古墳は、この下の記事で紹介しています】
大学に入る時が一番大きなきっかけですかね。どうせ行くならやりたいことをということで。歴史が好きで、その中でも人の書いた文献を読み取るよりは、実際に自分の目で確かめて歴史を研究していける。考古学に進んだのはそういうことがありますね。
一つには、遺跡詳細分布調査といって、この周辺には相当な数の古墳や遺跡がありますが、それら一つひとつの範囲を明らかにする調査です。まずは旧川之江地域を5年間で調査する計画です。遺跡に影響を及ぼすような土木工事をする時には、古墳や集落跡などの埋蔵文化財をきちんと調査して記録により保存することが法律で定められています。それをきちんとしていかないと、残すべきものが調査されずに壊されていく場合もありますので。
特に重要な遺跡ということで、向山古墳について範囲を明らかにする調査を中心に行っています。これまでに分かった南北46メートル東西70メートルという規模は、四国では全く比較になるものがなく、当時の大王ともひけを取らない大きさです。想像していたよりも非常に大きなものだったのは驚きでした。それは調査指導委員の先生方も同じでしたね。
考古学の魅力なんでしょうけど、新しい、というか本当は新しくはないんですけど(笑)、少なくとも今生きている人たちが知らなかった事実が新たに分かってくるというのは一つのやり甲斐ですよね。
この石はどこからどうやって運んできたのかとかよく言われますけど、それがきちんと石室に組み上がるような形で計画的に持ってきて組み上げる作業というのは、機械を使った今の技術でもどれだけかかるだろうかと。細かく調査するほど当時の考え方や技術の高さに改めて驚かされますね。
一つはやっぱり石室ですね。外から見に来た人は自分の地元にあるものと比べて、「なんと大きな石室なんだ」と必ず言って帰ります。この古墳が身近にある地元の人の方はかえって、この大きさや規模を当たり前と思っているかも分かりませんね。石室が2基あるのも、横穴式石室は追葬が可能であることを考えれば非常に面白いですし、当時の人がどこからどうやってこの巨大な石を持ってきたかということに思いをはせれば、それも面白いでしょう。パッと見ただけではこんなものかという感じですけど、その背景にあるものを考えながらじっくり見ていくと面白いと思いますね。
遺跡分布調査のボランティアさんに手伝ってもらっています。登録は60人を超えていて、1回に来られるのは多い時で20人、平均10人前後くらい。必ず何人かは来て下さっていて、かなりの仕事をしてくれています。ボランティアですので何かが出るというのではないのですが、こちらとしては知識でフィードバックしていけたらと、十分かどうかは分かりませんがしているところですね。
それから年に1回開いている調査結果の現地説明会には、200〜300人もの人が来て下さる。これだけ多くの方に見てもらい、理解してもらえるというのは大きな喜びです。単に整備に向けた調査にとどまらず、調査自体が外に向けてのアピールにもなるものと思います。
分かる限りのものは調査していくことが前提ですが、その先の段階でこの古墳をどう生かしていくかということですね。向山古墳を核として周辺にある古墳などをつないで、遺跡巡りのルート化ができればと思っています。やっぱり実際に現地で見てもらいたいし、出土品など現地に置けないものは博物館で見てもらって。街中なので難しいところはありますが、歩いている道自体にも魅力があって楽しいというのが理想です。
大学時代に調査に行った所で、地元の人が、古墳を見に来る人のためにログハウスの休憩所を建てたり、土日はお茶を出してもてなしたりしている所がありました。向山古墳を市民の宝として、ここでもそういう形ができていけばいいなと思いますね。 |
| 【向山古墳についての問い合わせ先】 四国中央市教育委員会文化振興課 電話=0896・28・6043 |
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| ◎向山古墳(四国中央市金生町) |
7世紀前半、古墳時代終末期に築かれたとされる向山(むかいやま)古墳。東西に2基の石室が並び、南北46メートル、東西70メートルの墳丘を持つ四国最大の長方形墳です。
1949年に県史跡に指定。2003年からの調査で、墳丘の北側から西側にかけて周溝(古墳の端を示す溝)や、南側に列石(つながりのある石の列び)が発見され、規模や形が明らかになりました。
1号石室(写真向かって左側)は原形をとどめており、ここから出土された遺物などから時代が割り出されています。1号石室よりもさらに大きい2号石室には、最も大きなもので推定30トンの巨石が使われています。その規模や技術から、被葬者は地域を統率する力を持ち中央との交渉力もある重要な人物であると考えられており、今後発掘が予定されている2号石室からの新たな出土品の発見が期待されています。
【向山古墳へのアクセスは】
同市役所川之江総合支所から北東(山田井方面)へ。金生川にかかる山田井橋の向こう岸を左折。 |
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