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   (掲載:2007年6月)

 同左官店の従業員さん25人のうち、6人が20歳前後の若い人。その一人、高田将兵さんが働く松山市内の新築マンション建設現場を訪ねました。高田さんは、仕事を始めて2年半の左官見習い。「職人」と呼ばれるのは経験が4年以上の人なのだそう。同現場の左官工事監理主任でキャリア30年の、宇和光男さんと共にお話を伺いました。


(以下、注のないところは高田さん談)

■左官になろうと思ったきっかけは?

 高校を辞めて、何か仕事をしないといけないなと思っていた時に、左官さんが壁塗りをしているのを見て、面白そうだな、やってみたいなと思いました。親父に言うと、知り合いに左官屋がいるからと紹介してくれて、今の会社で働くことになりました。

■1日の流れは?

 朝7時までに会社に出て、会社の車で8時くらいまでに現場に入ります。仕事は夕方5時までで、昼に1時間と、午前と午後に30分ずつ休憩があります。

■入って最初にした仕事は?

 掃除、材料運び、材料練りです。初めは体がついていかなくてバテバテでした。塗らせてもらえるようになったのは、始めて1年くらい経ってからでした。


■これまでに思い出に残っている仕事は?

 倉庫の土間のちょっとの所ですけど、自分で塗って仕上げまで責任を持ってさせてもらったことです。「おまえもだいぶ塗れるようになってきたな」と言われるようになった頃で、「任せてくれたんやな」と思いました。仕上げた所が形として残っていくのは嬉しいです。

■先輩の仕事を見て、どう思いますか?

 やっぱりすごいなと思います。仕事の速さも違うし、出来上がりの見た目もきれい。

■若い人の仕事ぶりは、どうですか?

 【宇和さん】上の目線から見たら、まだまだですね。仕事の技術もそうですが、それ以外の、ものの気が付き方というかね。左官の技術は、人のを見て盗むような感じで覚えていかんとね。若い子は皆真面目なんですけど、すみずみまで目を配るとか、自分から気が付いて動くことには欠けとるよね。

■言葉で教えられることと、自分が見て覚えることでは、どちらが多いですか?

 やっぱり、見て覚える方が多いと思います。上の人が塗っているのを見ると簡単そうに見えるんですけど、やってみると上手くできなくて、「何でできんのか」って自分にイライラしたりもします。

■上達していますか?

 ちょっとずつ上手になっていると自分では思っていても、職人さんから見たら、まだまだ全然変わっていないと思われていると思います。納得できるくらいに腕を上げたいですね。早く仕事を覚えて、職人になりたいです。

■平坦に塗るのは大変なことなんですね。

 【宇和さん】まずはまっすぐ塗れる感覚を手で覚えんとね。昔は現場といえば木造の家ばかりで、たとえば壁一つ作るのでも小舞掻き(こまいかき・柱と柱の間に竹を編んで下地を作る作業)、荒壁塗り、中塗り、仕上げ塗りというようにいくつもの作業があって、左官の技術が重要やった。今までの職人さんは皆そういう仕事をしてきているけど、今はそういう現場が少ないから、覚えるのが難しいと言えば難しいね。今はこういうマンション系が増えてきて、この現場だったら、コンクリートの壁や柱などに補修材を薄塗りするのが主な仕事。やけどマンション系でも、覚える気がありゃ覚えることはなんぼでもある。


 「塗らせてもらうのが楽しい」と高田さん。「楽しいだけでは左官は勤まらない」と宇和さん。技術を高める自分への厳しさが必要とされる、左官という仕事の一端を見せてもらいました。

【取材協力】愛媛県左官業組合連合会

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