(以下、注のないところは高田さん談)
高校を辞めて、何か仕事をしないといけないなと思っていた時に、左官さんが壁塗りをしているのを見て、面白そうだな、やってみたいなと思いました。親父に言うと、知り合いに左官屋がいるからと紹介してくれて、今の会社で働くことになりました。
朝7時までに会社に出て、会社の車で8時くらいまでに現場に入ります。仕事は夕方5時までで、昼に1時間と、午前と午後に30分ずつ休憩があります。
掃除、材料運び、材料練りです。初めは体がついていかなくてバテバテでした。塗らせてもらえるようになったのは、始めて1年くらい経ってからでした。
倉庫の土間のちょっとの所ですけど、自分で塗って仕上げまで責任を持ってさせてもらったことです。「おまえもだいぶ塗れるようになってきたな」と言われるようになった頃で、「任せてくれたんやな」と思いました。仕上げた所が形として残っていくのは嬉しいです。
やっぱりすごいなと思います。仕事の速さも違うし、出来上がりの見た目もきれい。
【宇和さん】上の目線から見たら、まだまだですね。仕事の技術もそうですが、それ以外の、ものの気が付き方というかね。左官の技術は、人のを見て盗むような感じで覚えていかんとね。若い子は皆真面目なんですけど、すみずみまで目を配るとか、自分から気が付いて動くことには欠けとるよね。
| ■言葉で教えられることと、自分が見て覚えることでは、どちらが多いですか? |
やっぱり、見て覚える方が多いと思います。上の人が塗っているのを見ると簡単そうに見えるんですけど、やってみると上手くできなくて、「何でできんのか」って自分にイライラしたりもします。
ちょっとずつ上手になっていると自分では思っていても、職人さんから見たら、まだまだ全然変わっていないと思われていると思います。納得できるくらいに腕を上げたいですね。早く仕事を覚えて、職人になりたいです。
【宇和さん】まずはまっすぐ塗れる感覚を手で覚えんとね。昔は現場といえば木造の家ばかりで、たとえば壁一つ作るのでも小舞掻き(こまいかき・柱と柱の間に竹を編んで下地を作る作業)、荒壁塗り、中塗り、仕上げ塗りというようにいくつもの作業があって、左官の技術が重要やった。今までの職人さんは皆そういう仕事をしてきているけど、今はそういう現場が少ないから、覚えるのが難しいと言えば難しいね。今はこういうマンション系が増えてきて、この現場だったら、コンクリートの壁や柱などに補修材を薄塗りするのが主な仕事。やけどマンション系でも、覚える気がありゃ覚えることはなんぼでもある。
「塗らせてもらうのが楽しい」と高田さん。「楽しいだけでは左官は勤まらない」と宇和さん。技術を高める自分への厳しさが必要とされる、左官という仕事の一端を見せてもらいました。
【取材協力】愛媛県左官業組合連合会
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