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   ショートコラム (2008年9月)
「普通」と「異常」

 8月の下旬、1時間に147ミリもの雨が降り、洪水に見舞われた都市がありました。『バケツをひっくり返したような雨』と表現されるのが、1時間に30ミリから50ミリの雨と言われていますから、想像だにできない激しさで降っていた訳です。
 最近、『異常』と表現される事象が多くなったと感じます。酷暑、ゲリラ豪雨、極端な寒暖の差など、自然界が以前とは異なってきたと多くの人が感じています。また日々報道される事件や事故の中に、人間や動物の行動の異常さを感じるものが多くあります。
 辞書によりますと異常とは、『普通と違っていること、正常ではないこと』とあります。一方、正常とは、普通であることなのです。普通であることの基準をどこに置くのか、『異常』という言葉を、どのように捉えるのかと思うのです。希有な事であるから異常であると捉えられている訳なのですが、異常な気象もそれが例年の如くとなったり、特異な行動が日常化したり一般化したりすると、それは決して異常ではなくなってしまいます。
 気象などのように、数値ではっきりと示すことのできるものは、普通と異常の境がはっきりとしていますが、人の考え方や行動などは、普通と異常の境がいたって曖昧で、グレーゾーンが広いと思われます。ある人から見れば異常に思えても、別な人からすれば普通であると捉えることもあるでしょう。
 当然のことながら、当人は異常とは思っていない場合が多い訳なのです。また常識外れの行動をしている人を目にしても、それを理解できる人にとっては異常ではない訳なのです。異常な事が異常であると感じられる間は、頭の中も世の中も、健全であると言えるのではないでしょうか。(R)


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