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   ショートコラム (2008年11月)
田舎の蜂の巣

 引率する立場で大勢の人と行動を共にすると、大きな緊張感を持ちます。子どもたちを連れて遠くに出掛ける時など、行き帰りはもちろんのこと、出掛けた先でも事故のないようにと、細心の注意を払います。ちょっとした危険と隣り合わせであることが、実に多いのです。帰り着くまで何事も無きようにと、最も神経を使います。 
 山に出掛ければ、経験のない人にとっては山道を歩くことさえ危険です。また、扱い慣れない道具を使うとなれば、どこに事故に繋がるものがあるやもしれません。一生懸命で物事に打ち込んでいるのだから大丈夫だと信じる気持ちと、何事も起きないようにと願う気持ちが、強い緊張感に繋がっています。
 田舎の両親が、玄関の庇に蜂が巣を作っているのを、取り除くことなく生活しています。頭上30pほどの場所に蜂の巣を置きながら、毎日その下で生活をしている訳なのです。9月に稲刈りに出掛けた時に、蜂が気になっておりました。それでも稲刈りは田んぼで行うので、行事の参加者にはそれほど影響がないと思っていたのです。けれども今回の脱穀は、庭で行われます。危機感を抱えながらの作業となりました。
 母は、「蜂には、毎日話しかけているから心配は要らない。大丈夫!」と言うのです。大勢が庭で右往左往するものですから、誰かが蜂の巣に棒でも当ててしまえば、大変なことになると思いながら見ておりました。ありがたいことに、せんばこきで脱穀したり、唐箕でカラやゴミを吹き飛ばす作業を賑やかにしていても、蜂は一匹も巣から飛び立つこともなく、そこでじっとしていました。
 緊張感を持ちながらも、一連の行事を無事終えることができて、感謝に思います。 (T)


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