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11月24日、イイノホール(東京都千代田区)にて、平成18年度“女性に対する暴力に関するシンポジウム”が内閣府の主催で開催され、約400人が参加しました。
まず、内閣府少子化男女共同参画大臣・高市早苗氏の代理として、副大臣・平沢勝栄氏が主催者挨拶を行い、「女性に対する暴力はいろいろあるが、いずれも被害者の心身に深刻な傷をもたらす著しい人権侵害であり、政府としては女性に対する暴力根絶のため、皆さんの意見を聞きながら様々な取り組みを行っていきたい」と述べました。
次に、小児精神科医、国立成育医療センターこころの診療部長・奥山眞紀子氏が、“配偶者からの暴力と子どもへの影響について”と題して基調講演。DV家庭で子どもへの暴力が行われている数は一般家庭の6・5倍にものぼり、直接目の前で暴力を見るだけでなく、音や雰囲気だけでも子どもに悪影響を及ぼすこと、DV家庭で育つと子どもには生物学的な影響が大きいことなど、DVが子どもにもたらす影響を詳しく紹介し、「子ども及び親子関係に焦点をあてた支援が必要であり、親子関係の悪循環を変化させることが必要である」と述べ、「全ての暴力を社会からなくすキャンペーンをこれからも続けていきたいし、皆さんも1人1人の場で少しずつ始めて頂きたい」と訴えました。
後半は千葉大学大学院教授の後藤弘子氏をコーディネーターに、▽厚生労働省雇用均等・児童家庭局・虐待防止対策室長兼母子家庭等自立支援室長=伊原和人氏▽淑徳大学教授・日本子ども家庭総合研究所部長=柏女霊峰氏▽母子生活支援施設「倉明園」施設長=大塩孝江氏▽女性ネットSaya│Saya共同代表=野本律子氏の4名をパネリストとして、パネルディスカッションが行われました。

コーディネーター
後藤弘子氏 |
「DVを目撃した子どもや、五感で感じた子どもは、様々な問題を抱えているにもかかわらず適切に取り扱われていない状況であり、生きる場所である家庭が戦場になっている。そのような子どもたちに対して私たちがどのように手をさしのべていけるのかを前向きに考えていきたい」
「子どもの最大の利益を考えて行動できるサポーターや法整備が必要」 |

パネリスト
柏女霊峰氏 |
「現在日本では、1週間に1人が親または他の保護者からの虐待によって命を失っている。DV、虐待が行われていても気付かず、見逃されるケースも多い」
「DV関係者、児童虐待関係者が相互に意見交換したり、学びあうことが大切であり、市町村レベルでDV、虐待の一元化をしていくことが必要」 |

パネリスト
伊原和人氏 |
「DVと児童虐待は同じカテゴリーという認識がある中で、法は別々であり充分な連携がとれていないのが現状」
「地域によっては児童相談所と婦人相談所を統合した施設を設置して支援にあたっているところがある」 |

パネリスト
大塩孝江氏 |
「現在、母子生活支援施設は全国に281カ所あり、昨年1年間で入所した人の48・3%がDV被害者。暴力は強い者から弱い者へ行われる傾向があるため、夫(父親)に暴力を受けた妻(母親)が子どもへ暴力を行うというケースも数多くあり、心の回復が大切である」
「母親、子ども双方の状況を把握しておかなければ支援はできない。自立に向けては当事者同士の支え合いも重要」
「嘘をつくという行為は自分を守るためにしているととらえ、自分を守らなければならない状況に置かれてしまっているということを受け止めて支援を行っていくことが大切である」 |

パネリスト
野本律子氏 |
「毎年、夏休みに母と子を2泊3日のワークショップに連れて行っているが、親子同時のプログラムは効果が大きいと実感している」
「母が子の気持ち、子が母の気持ちを知るために親子が一緒に同じテーマで同時に進行するプログラムを開発中である」 |
最後にコーディネーターの後藤氏が、「非行少年の家庭でDVのない家庭はほとんどない。緊張状態のある家庭にいられないから外に出て、その結果非行をするという悪循環になっている。今日のシンポジウムで、皆さんの声を聞いて、被害者が少しでも前向きに自立していけるようにしていきたいと思う」とまとめました。
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