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“書の甲子園”で全国優勝
〜三島高校書道部〜
(2003年12月号掲載) |
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| “書の甲子園”と呼ばれる「第12回国際高校生選抜書展」(毎日新聞社、毎日書道会主催)の審査結果が、11月14日に発表された。三島高校書道部は、団体の部で初の全国優勝。個人の部でも、3年生の津吉亜紀さんが最高賞にあたる文部科学大臣奨励賞に選ばれたほか、多くの部員が入賞した。 |
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「みんなはじめは驚きの方が大きくて。でもみんな感動して涙が出た」。優勝を知った時のことを、部長の津吉さんは話す。顧問の服部一啓教諭(34)は、「普段頑張ったことがこういう成果として現れたのが、やっぱり一番良かったなと思う」と喜びを語った。
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部員たちと服部教諭(奥の列、右から4人目)
=デモンストレーション作品「贈りもの」を囲み |
放課後の書道室。揃いの黒いジャージに着替え、床に毛氈(もうせん)を敷いて紙に向かう部員たちの姿は、まるで運動部のよう。書く題材は主に、中国などの古典の書の名品集から。それぞれが書きたいものを自分で選び、何度も何度も練習しながら、そこに個々の表現をのせていく。「『自分が選んだ』ということへの責任感から、ある一定の気持ちを継続する強さが生まれてきます。そういうものを大切にしたいと思う」と服部教諭。
現在部員は17名。平日の練習時間は3〜4時間、休日は10時間にも及ぶ。長期休みには強化合宿を実施。中途半端では全国一にはなれない。入部時の部員は約半数に減るという。部活動に明け暮れる毎日だが、書道で培った集中力が学業成績も伸ばしていく。また、部活動で高校生活の大部分を一緒に過ごす仲間との友情、先生に対する信頼は厚い。「他の多くのものを犠牲にしているからこそ、こういうのは尊いと思うんです。普通の高校生みたいなこともさせてあげたいという思いはありますが、それを我慢して頑張れる生徒たちだから日本一がついてきたのかなと感じます」(服部教諭)。
同書展の団体の部で、昨年は全国準優勝、4年前にも先輩たちが準優勝の成績を残している。服部教諭は「先輩たちが頑張ってきてくれたお陰で今がある。今年は、いろんな意味で良い巡り合わせを引き寄せたのかなという感じがします」と振り返る。
同教諭が新任教員として三島高校に着任したのは8年前のこと。猛練習の甲斐あって、無名の学校は数年で全国の上位常連校にまで成長した。部員たちには日頃から「書道は自己を見つめる芸術」と諭す。目標を立て、打ち込むことで、書が変わり自分自身が変わり人生が変わる─。「書道を始めて自分の人生が変わった」と言う教諭が自分に言い聞かせている言葉でもある。
昨年6月、「全国一になりたい」という部員たちの強い思いのもと、優勝経験を持つ名門校の福岡県立築上中部高校に遠征。1泊2日の合宿でともに練習に励み、刺激を受けた。
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| デモンストレーションの様子 |
遠征から帰った直後から「書のデモンストレーション」の練習を始めた。ヒット曲に合わせてリズミカルに歌詞を書いて大作に仕上げるパフォーマンス。川之江や新居浜の大手スーパーのイベントで、大勢の観客を前に演技を行った。豪快な筆さばきや日本的な美しい動作が好評だ。「一人でなくて、大勢でするデモンストレーションは楽しい。全員で一つのものに向かって、やり遂げた時の達成感がいい」と部員たち。反応をじかに感じることが、喜びや励みにもなる。「楽しそうに体全体を使ってする姿を見てもらって、こんな表現もあるんだと書道を身近に感じてもらえれば」(服部教諭)。生き生きと演技する部員の姿を見て、「書道がしたい」と入部した生徒もいる。
「やっぱり今の三島高校書道部があるのは、先生の指導と、いろんなことを残してくれたりチャンスを与えてくれたりした先輩たちの強い意志があるからこそ」(津吉さん)。「高校の1年間というのは、これは本当に凄い。いろんな経験をして本当に力がついたのだと思う」(服部教諭)。先輩の書を見て凄いと思い、アドバイスや励ましに勇気づけられてきた。
今、目標はすでに、来年の全国優勝に定まっている。新部長である2年生の坂上加奈恵さんは、「先輩からの伝統を引き継いで、みんなで団結して頑張っていきたい。これまでの活動に加えて、また何か新しいこともやってみたい」と意気込みを見せる。「今でも頑張っているけど、まだまだ頑張れますよ」と服部教諭。保護者や地域の人々の応援も大きい。今後の活躍がますます期待される。 |