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【地域の情報】最新号
町並博に向けて元気いっぱい
〜東宇和郡宇和町〜
(2004年1月号掲載)
 今回は、南予随一の穀倉地帯であり、歴史と文化の里である東宇和郡宇和町を訪ねました。宇和町は、周りを400メートルから800メートルの高さの山々に囲まれた宇和盆地にあります。平均標高は200メートルで、夏の涼しさは格別のようです。高速道路開通に向けて、あるいは『えひめ町並博2004』開催に向けて、各所で工事が急ピッチで進められている様子に、宇和町内の活気が感じられました。

 大洲インターから大洲道路を経て、国道56号線を走って30分もすれば宇和町に着きます。JR卯之町駅を過ぎて左手に進路を取ると、目的地の一つ『中町(なかのちょう)通り』に近付きました。目指す中町通りは、もう一本南手です。商店街にある町の駐車場に車をとめて、歩いて各所を見学することにしました。
 江戸時代に在郷町や宿場町として発展したのが卯之町地区で、中町通りには今も江戸末期から明治初期の民家や商家が立ち並んでいて、往時の面影をしっかりと残しています。現在改修中の建物も、町並博までには工事が終了するとのこと。通りには、観光客が気軽に立ち寄ることのできる『文化の里休憩所』が設けられています。ここでは、お茶のお接待をしてくれます。
【宇和町民具館】 秋祭りの練り道具や神楽面を展示
 町並博で9月・10月のコアイベント会場の一つとなるのが、この中町通りです。同イベントでは空き家を利用して、和物や洋物のアンティークショップが開かれたり、江戸風の屋台が出たりすることになっています。観光客への着物着付けサービスが行われるほか、実行委員会のスタッフも全員着物姿で、と計画がされているそうです。のれんやのぼり、提灯などで店先が彩られると、たちまち百年前にタイプスリップしそうです。
 通りの中ほどにある石畳の坂を上っていくと、正面に西園寺家の菩提寺・『光教寺』、右手に『宇和町民具館』、左手に『開明学校』『申義堂』があります。民具館は平成12年度のえひめアメニティ賞で表彰された建物で、周りの古い家並みの景観に良くマッチしています。また、建物内部は傾斜地を利用したたいへん面白いつくりで、順路を追って見学をしていくと、中町通りに面した民家へとつながるようになっていました。五穀豊穣を願う祭りや行事にまつわる物、暮らしに密着した民具などが展示されています。

【開明学校】 西日本最古の校舎
 開明学校は明治15年に立てられた西日本最古の校舎で、平成9年に国の重要文化財に指定されています。白壁にアーチ型の窓が並んだ和洋折衷のモダンな建物です。ドアを開けると二階に続く大きな階段がありました。蹴上げが高く、しかも急な階段です。まだ体格の小さな子どもたちも向学心に燃えて、一生懸命にこの階段を上り下りしたのだろうと想像します。『申義堂』は明治2年に私塾として建てられ、明治5年の学制発布と同時に開明学校の最初の校舎となりました。
 宇和町は、シーボルトの弟子・二宮敬作が医業を開いた地であり、シーボルトの娘・イネが、二宮敬作から医学を学んだ日本の女医発祥の地です。二人を初めとして、宇和町にゆかりのある人物や、偉業を残した人物に関する資料が展示されているのが、中町通りの突き当たりにある『宇和町先哲記念館』です。宇和町の歴史や文化を知る場であると共に、生涯学習の場として活用されています。

【米博物館】 長い長〜い廊下
 中町通りから少し離れていますが、米どころ宇和町ならではの『米博物館』も必見です。昭和3年に建てられた旧宇和町小学校の校舎を移築したもので、国内外の約80種類の稲の実物標本や農機具などが展示されています。また、109メートルもある廊下は、長さ日本一として有名です。テレビでたびたび紹介されている雑巾掛けタイムトライアルは、申し込めばすぐに挑戦させてもらえます。ちなみに本紙記者(20代女性)の記録は1分41秒で、女性記録歴代245位でした。認定証は後で送ってくれます。同博物館では3月3日から4月11日まで、恒例のひな祭り展が開かれます。職員さんが、かなり大がかりなジオラマを制作中でした。4月1日の西予市スタートを記念して、『ひらけゆく春』が今年のテーマだそうです。
 民具館、開明学校、先哲館、米博物館を見学するには、4館がセットになった共通券が便利です。大人400円・小人200円(団体=大人300円・小人150円)で、どの館でも購入できます。問い合わせは、宇和町役場文化の里振興課(電話=0894・62・6700)まで。

 宇和町を訪問して見落としてはならないのが、『愛媛県歴史文化博物館』です。近代的な外観の建物で、歴史系博物館としては全国でも有数の規模を誇ると言われています。原始・古代、中世、近世、近・現代の4つの歴史展示室と、祭りやくらしや四国遍路などを紹介する民俗展示室などがあります。長いエントランスホールや愛媛の地形を模した中庭は、訪れる人の心を落ち着かせてくれる空間です。



 4月29日(みどりの日)には、町内の広々とした田園地帯で毎年『れんげ祭り』が開催され、米どころならではの日本一の餅つき大会や、どろんこサッカーなどさまざまな催し物で大いに賑わいます。この地区では、秋の収穫を終えると藁を高く積み上げた『わらぐろ』がつくられ、宇和盆地の冬の風物詩となっています。今年のれんげ祭りは、町並博のオープニングイベントとなる予定です。
 宇和町では、町並博の自主企画イベントがたくさん予定されています。春のうららかなれんげ畑、冬のわらぐろの風景、昔懐かしい中町通りの町並…。歴史と文化のまち『宇和町』は、見どころ満載のまちです。町並博を機会に訪れてみては。
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