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OneDayTrip土佐町の旅
高知県土佐郡土佐町
2005年8月号掲載 |
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今回は、四国のほぼ中央に位置する高知県土佐郡土佐町へ行ってきました。川之江ジャンクションから高知自動車道へ。緑濃い山の中の高速道路を、トンネルの数を数えながら車を走らせます。大豊ICで下りて、国道439号線を西に走ること約25分。最初の目的地である早明浦ダムが見えてきました。
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| 広場にある「四国のいのち」の碑 |
やっぱり大きかった!早明浦ダム
▼国道沿いは、左右の山があまり迫っていないので空が広く、不思議なくらい山の中の町であることを感じさせません。ところが、ひょっこりと早明浦ダムが姿を現した時には、やっぱり山の町なんだと実感しました。『まちの景色の向こうに、突如として大きなコンクリートの壁が出現した』、というのが早明浦ダムを一番最初に目にした印象です。国道を右折して道をぐんぐんと上り、ダムサイトに向かいました。木立の間に見えるまちの景色が、みるみる小さくなっていきました。
早明浦ダムは、西日本一の貯水量を誇るダムというだけあって、その大きさに圧倒されます。昭和50年3月に完成したもので、高さは106メートル、長さは400メートルもあります。早明浦ダムの役割
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| 展望台から見た堤防とダム湖 |
は、洪水の調節、吉野川の流水を正常に機能させるための用水の確保、工業用水を含む都市用水や農業用水の供給、発電の4つです。吉野川の水は早明浦ダムを中心に、富郷ダムや新宮ダムなど吉野川水系の7施設で総合的に管理されています。四国4県が恩恵を受けていることから、早明浦ダムは『四国のいのち』と呼ばれています。このダムで生み出される年間8億6千万立方メートルの水の内、愛媛県にも19パーセントが供給されています。
梅雨明け以来、雨がほとんどふっていないのでダム湖の水位はかなり下がっており、湖を囲む山々には茶色の地肌が大きく広がっていました。ダム建設のために故郷を離れざるを得なかった世帯は352戸、殉職者は14名とのこと。渇水時には湖底に沈んでいた建物が顔を出したりして話題になりますが、展望広場の音声ガイダンスの『大勢の方々の協力を忘れることはできません』という言葉に重みを感じます。8月10日現在、貯水率は20パーセントを切っています。
森の中の見つけもの
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| さめうら森林公園バンガロー |
▼湖に沿ってさらに車を走らせていると、『ランドアート』と書かれた木製の看板(?)が目に止まりました。通り過ごしたもののやはり気になって引き返すことに…。看板に誘われるままに、脇にそれて山道を上っていくことになりました。杉木立や竹藪の中に、1カ所、2カ所とアートらしきものがありました。木や石など自然のものを使ったアートで、できてから数年経っているので、森の中にすっかり同化しているように見えました。
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| 湖畔にたたずむランドアート |
山道を登り切った所はなだらかな広場になっていて、フィールドアスレチックの遊具がありました。この辺り一帯が『さめうら森林公園』です。家族連れにちょうど良いサイズのバンガローが立ち並んでいました。
山道を引き返して、再び湖畔の道へ。ちょっと走ると、湖を見下ろすようにランドアートがありました。何本もの流木を組み合わせたもので、大地に根を張っているかのような風情です。桜の季節には、また違った味わいがあるのだろうなと思います。 |
こつこつと…心通うまちづくり
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| 土佐酒造内にある「桂月館」 |
▼湖畔の道をしばらく走り、南越トンネルを抜けて国道へ。次の目的地は、土佐酒造の『桂月館』です。造り酒屋の土蔵を利用した桂月館には、高知が生んだ詩人であり評論家の大町桂月に関する資料が展示されています。土蔵は大正12年に建築された建物で、雨の多い地方特有の『水切り瓦』が三重に施されています。館内を見学していると、4代目・澤田社長が案内に来てくれました。
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土佐酒造の
澤田社長 |
土佐酒造は創業明治10年で、130年近い歴史を持っています。先代社長が大町桂月に心酔しており、昭和26年に酒の銘を『桂月』と名付けたそうです。先代が亡くなって2年経った頃、およそ20年前に、この桂月館を開いたとのこと。展示されている掛け軸や資料類は、先代が蒐集していたものが大部分を占めています。小さな蔵ではありますが、桂月に懸ける想いが溢れています。
大町桂月との縁はそればかりでありませんでした。澤田社長が桂月の命日に、終焉の地である十和田湖町の蔦温泉にお酒を送ったことからさらに深い縁ができました。蔦温泉の社長と澤田社長が仲人役となって土佐町と十和田湖町とが姉妹町になり、交流が始まって今年で20年になるそうです。上辺だけでなく中身のある交流をとの願いから、子どもの交流を続けています。土佐町からは雪の深い2月に出向き、十和田湖町からは毎年行われている『さめうら湖カーニバル』の日程に合わせて真夏にやって来ることになっています。今年4月に十和田市と合併した後も、この交流は継続されることになりました。
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| 土佐酒造へ続く遊歩道 |
国道から土佐酒造へ続く道沿いには、横を流れる小川にせり出すように木の遊歩道が設置されてありました。
「この小川も元はコンクリートの3面張りだったんですよ。コンクリートを剥がして6年目になりますかね。国道の近くのごく一部にいた蛍が、4年目には見事に復活しました。200メートルのこの道全面に蛍が乱舞します。コンクリートを剥いだら自然が帰るよ」と、蛍の初確認を毎年している澤田社長が説明をしてくれました。
「村おこし、町おこしと言うけれど、僕は、『おこし』という言葉は使わんぜよ、と。寝てるから起こしゆうがよ。日頃からの『つくり』を怠っているから慌てておこしをやっている。村おこし、町おこしと言っても、こつこつと努力をして継続性がなければ…。急にやろうとしてもできるものではありません」。
地域振興、産業振興に努力を払ってきた様子が伝わってきます。 |
土佐町の美味しいもの♪
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| ひときわ目をひくシャーベットののぼり |
▼土佐酒造を後にして、国道に戻るとすぐ近くに道の駅『土佐さめうら』があります。森林の町だけあって、様々な木製品が並んでいました。また『嶺北』と言われるこの地域は嶺北ビーフが特産。そう言えば国道沿いに家畜市場があって、車の窓からも仔牛が並んでいるのが見えました。道の駅のレストラン『与作』では、地元の食材をふんだんに使った料理が出されます。美味しくて値段も手頃な日替わり定食がお薦め。
車に乗る前に、やっぱり気になった桃のシャーベットを買いに行くことに…。こちらも200円と手頃な値段。しかも上品な桃の甘さがとても美味。思わず「おいしい!!」。道の駅で桃のアイスクリームやシャーベットを販売しているのは、地蔵寺果樹生産部会の明坂さん。「桃の木のオーナー制度をしています。ここの桃は、果汁が多く甘みがあっておいしいんですよ」。町外の人もオーナーになって、桃の花見や桃の収穫を楽しんでいるそうです。
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| 木遊館・樹華夢(じゅげむ) |
▼最後に訪れたのは木のコミュニティー施設『木遊館・樹華夢(じゅげむ』。小規模ではありますが、森と水をテーマにしてつくられた楽しい空間です。森や森が育む水のことが学べるようになっています。地階に下りる滑り台は、小さな子どもならずとも大人もわくわくしそうです。 |
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| ダムができる前の吉野川は素晴らしい自然が溢れていて、「四万十川どころではなかったですよ」と地元の人は言います。それでも山間の町の空気はきれいで、真夏の日差しがきらきらと輝いていました。森の中のひんやりとした感覚も忘れられません。 |
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取材こぼれ話「たっすい??」
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