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→【地域の情報】最新号 |
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左手に海を眺めながら、車を走らせます。海岸線沿いは整備が行き届いて、とても素敵なドライブコースです。沖合に、人形劇の『ひょっこりひょうたん島』にそっくりな島が見えていました。作家の井上ひさしさんは、瀬戸田に滞在中に『ひょっこり―』の劇の構想を練ったとのこと。そっくりなはずです。
サンセットビーチに、ひときわ背の高い大きなメガネのオブジェがありました。これは『島ごと美術館』の野外彫刻で、『千里眼』という名前の作品だそうです。島ごと美術館には17作品があり、生口島の各所に設置されてあるとのこと。この海岸線ほか旧瀬戸田町民会館周辺にも作品が集中しています。野外彫刻は、作家が設置場所を選び、そこからイメージして作品を創ったということです。野外彫刻の設置場所は、観光協会のマップやHPなどで確認することができます。事前にチェックをしておいて、1つひとつ鑑賞しながら瀬戸田を見て回るのも面白いと思います。 ▼ 今回の旅の目的の1つは、『平山郁夫美術館』の見学です。しまなみ海道の開通以来、ぜひとも訪れてみたいと思っていた場所です。同美術館は、旧町民会館や音楽ホールのすぐ近くにあり、人が訪れやすい場所です。 門をくぐり、左右の庭園を眺めながら玄関に向かいます。玄関は、両開きの大きな木製サッシのガラス戸です。その重厚さにまず驚きました。玄関ホールもゆったりと広々としています。大きな掃き出し窓から見える庭園の風景までが、まるで切り取った1枚の絵のように見えています。何ともぜいたくな空間です。
同美術館は、平成9年4月に開館されました。「平山先生の出身地ということで、以前から記念館のようなものをつくって顕彰したいという声がありましたが、ご本人はかなり固辞されていました。当時の瀬戸田町には、橋が架かることによって橋脚の島になってしまう、通過点になってしまうという強い危惧があったものですから、ぜひにとお願いしてつくらせてもらうことになりました」(同美術館学芸員・別府さん) 同美術館は、美術ファンのみならず、しまなみ海道を観光でまわっている人たちにも、子ども連れの人にも、気軽に入って見てもらおうということで、人通りの多い場所に建てられています。今年度の来館見込みは約12万人とのこと。しまなみ海道開通の年度には、76万人もの来館者があったそうです。 ちょうど通りかかった同美術館館長が、画伯について話をしてくれました。館長は、画伯とは一回り違いの弟さんです。「兄の絵は、膨大な数が残っています。母親が新聞紙やたとう紙に入れて、小さい頃からのものを残していました。兄弟で残していたのは、兄の絵だけです。描いた数が違います。量が違います。小さい頃に兄のスケッチについて行っていましたが、家に帰って、私が見てきたものを描いてくれと言うと、すぐに描いてくれました。見たものが記憶に残っているみたいですね。訓練とか練習とか、それはかなりしていますから」。お母さんは、いくら請われても平山画伯の絵を譲らなかったそうです。子どもの才能を見抜いて、どのような絵も残しておかれたのでしょう。 同美術館では、代表作をはじめ、子どもの頃の絵や学生時代のスケッチ、人物デッサンなども2000点近く所蔵しています。それらも展示されることがあるそうです。「(スケッチやデッサンなど)いろいろな過程を経て初めて作品があります。作品が出来上がるまでに捨てられるものがあるんですね。本来捨てられてしまっているものも、この美術館では見せている訳です。創り上げる過程にあるものを見てもらった方が、若い人たちや子どもさんには良いのではないかという考えで展示をしています」(別府さん)。 また、作品の大下図(大下絵)も展示されてありました。とかく出来上がった作品しか見る機会がない訳ですが、このように制作過程の跡を見ることは、どのように高名な作家であろうとも、作品として表に出ているものの陰では相当の努力がなされていることを知る良い機会になろうと思います。 絵画の他、平成10年に受賞した文化勲章の勲記と勲章も展示されてありました。勲記は想像以上に大きくて立派で、橘とまが玉のデザインの勲章は高貴さを感じます。レプリカではなく受章された実物が展示されてあると伺い、なおいっそう感激しました。また、顔料(絵の具)の原石のコーナーでは、説明書を興味深く読みました。平山画伯の特徴的な色彩である『青』は、アフガニスタン産の『ラピスラズリ』だそうです。 とてもお洒落な和風の建物ですが、決して敷居が高いということはなく、気軽にフランクに訪れることのできる美術館だと感じました。身も心もゆったりとゆたかになった気がします。
旧瀬戸田町役場までは、今治ICから約40分。愛媛からもずいぶん近くなった生口島です。 |
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| 楽しみ方いっぱい 生口島 |
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国宝・三重塔のある向上寺に向かおうとして車であたりをぐるぐると回っている内に、Uターンする場所がなくて、仕方なく黄色の橋(高根大橋)を渡ることになってしまいました。この橋を渡れば、そこは生口島の北の高根島です。橋は高い位置に架けられているので、かなり急勾配のカーブの道を下っていくことになりました。 下りきった所は海岸線沿いで、川幅ほどに見える水路を挟んで向かいに生口島が見えています。ちょうど正面の小高い山の中腹に、九輪と塔の屋根が見えていました。道に迷った末にたどり着いた場所ではありましたが、そこから見た生口島の景色は、美術館で見た絵画によく似ていました。 再び生口島に戻り、結局、車を町民会館駐車場に止めて三重塔に向かうことにしました。遊歩道を歩いて三重塔に向かうと、塔の手前にスケッチポイントを示す石柱のモニュメントがありました。石柱に埋め込まれた陶板の絵と、目の前にある景色が同じなのです。当たり前のことですが、ちょっと感動しました。 平山画伯はしまなみ海道開通を記念して『しまなみ海道五十三次』のスケッチを描きました。大島石製の石柱のモニュメントは、それを記念してスケッチポイントに置かれています。観光協会のマップには、イーゼルのイラストでスケッチポイントが示されています。 |
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