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【地域の情報】最新号
育児までトータルにサポート
マミー助産院(四国中央市)
2006年5月号掲載

 新居浜市から四国中央市土居町に抜ける県道138号

線沿いに、オレンジ色の看板が立ったのは3月の半ばで

した。『マミー助産院』と書かれた大きな看板は、『えっ、

助産院!どこにあるの?』と、車を運転していてもひとき

わ目を惹きました。相前後して、国道11号線沿いにも色

違いでほぼ同じ内容の看板が立ちました。

  昨年の12月にオープンしたばかりのマミー助産院(四国中央市土居町北野)は、県道138号線から東に入る農道沿いで、臨済宗のお寺・大福寺の真向かいにあります。お寺には『子育観世音菩薩』『安産祈願』の赤いのぼりがはためいていました。辺りはたいへんのどかな環境で、北側には小高い山が連なり南側には遠く四国山地が見えています。助産院の周りの畑には、一面にれんげ草が咲いていました。
助産師の佐々木さん、阿部さん

 マミー助産院は、新居浜市出身の佐々木真理さん(52歳)と今治市出身の阿部瑞代さん(51歳)の2人の経験豊かな助産師さんが開業した施設です。2人はほぼ同じ経歴の持ち主で、松山市にあった愛媛県立公衆衛生専門学校を卒業後、平成17年3月まで20年以上にわたって看護師・助産師として県立病院に勤務していました。佐々木さんと阿部さんは県立今治病院で出会い、最後の勤務地は2人とも県立新居浜病院だったそうです。産科ばかりでなくいろいろな科を経験しているので、それが強みでもあるとのことでした。


  その2人が、出身地ではない四国中央市土居町で開業をしようと決めたのは、2人とも県立三島病院に長い間お勤めをされていたことが大きな動機のようです。「就職した時は今治だったんですが、働き始めた当初は仕事ばかりでその土地とのつながりなどを持つ余裕もなかったけれど、次の勤務地の三島では10年近い勤務の間に、病院以外に地域社会とのつながりができて、自分の人生の中でたいへん充実していたなと思うんですよ。開業に当たっては、2人ともするのならここでと、同じ気
明るい雰囲気の診察室
持ちが強かった」と佐々木さん。阿部さんも「私も今治にいましたが縁あって三島に転勤になって、その後、県中央病院にいたこともありますが、またこちらに引き寄せられて…。ここは山があって景色が良くて静かで、お産をするには良い環境なので気に入っています」と言います。

 また独立開業をしようと思ったのは、病院で働くことの限界を感じたからと2人は言います。産むスタイルにも選択の余地がないなど、病院でのおしきせのお産に疑問を抱いていて、1人の妊娠から出産・産後までを継続して見ることができるのは助産院しかないと感じていたそうです。40代後半の頃には、流れ作業的ではなくもっと1人の人に関わっていきたいという思いがますます強くなり、開業の夢が次第に現実のものとなっていきました。お2人は、「同じ考えを持っていたから踏み切ることができた。1人では行動を起こすことはできなかったのではないか」と、開業を決めた当時を振り返って語ってくれました。


 助産院の最大の特徴は、妊婦健診に1時間もかけ、その人に応じた保健指導が行われている点です。また自然なお産と母乳育児を大事にしている点も特徴の1つです。マミー助産院も同様で、フリースタイル出産や家族の立ち合いも可能で、母乳が十分に出てくるまで白湯を少量与えることはありますが原則として何も与えず、あくまでも母乳に重点を置いています。妊娠中から、お産に向けての準備を妊婦と助産師が一緒になって十分に行っていきます。産む人の主体性を
畳敷きの分娩室。ヨガ教室にも使われます
大切にし、希望のバースプランに合わせて、母子の安全性を第1に考えた上での自然なお産のお手伝いをするのがマミー助産院のモットーなのです。お産に対して積極的で前向きに取り組む姿勢のある人は、助産院の利点を大いに活かすことができそうです。

 お産がゴールになっているのが病院での出産で、お産は1つの経過であり、妊娠から始まって、出産、産後、育児までトータルに考えて付き合ってくれるのが助産院です。出産を控えて妊婦健診に来る人、母乳育児を目指して産後のおっぱいケアに来る人、不妊相談に来る人など、開業から4カ月余りのマミー助産院にはいろいろな目的を持って人が訪れます。金曜日と土曜日にはマタニティヨガも含めてヨガのレッスンがあり、毎週木曜日にはベビーマッサージもあって、赤ちゃんとお母さんが楽しく時間を過ごしています。


1階ダイニング横の和室。
産後の病室として使われます
妊娠中の些細な事でも気軽に尋ねることができるとか、母親になったばかりの不安な気持ちを聞いてもらえるとか、おっぱいが足りているのかどうか判らないことに答えてもらえるなど、助産院は困った時に助け船を出してくれる所、言うなれば駆け込み寺のような役目もあるのではないかと2人は考えています。今は立ち上げたばかりで妊婦さんや出産を目標にする人が対象になっていますが、将来的には女性のライフスタイルにあった対応ができることを目指しています。いろいろな悩みを持った更年期世代の人たちも気軽に来てくれるような施設にしたいと抱負を語ってくれました。 

 自然志向の生き方が見直されていますが、お産に対しても自然な形で取り組みたいと望む人が増えてきています。また全国的に産科医の減少が問題になってきている今日、四国中央市も例外ではありません。マミー助産院は、女性にとってお産の形態の選択肢が増えるとともに、遠くの病院よりも身近な場所で安心して出産ができる場の提供となっています。家庭的な雰囲気で妊婦さんをサポートする同助産院は、6月には初めての出産を迎えます。

マミー助産院
 マミー助産院は木造2階建てで、1階には診察室と分娩室ともなる8畳の和室とそれに続きの部屋、産後の病室として使うことのできる和室と台所を備えた多目的に使うことのできる洋室があり、2階部分は2人の居室となっています。
 新居浜労災病院産婦人科との連携で、妊婦さんには同病院で健診を2回受けてもらう他、医療が必要になった時の備えも万全に整えられています。

▼診療時間:9時〜12時、13時〜17時
▼日曜・祝祭日休診
▼電話:0896-74-6161
▼ホームページ:http://www16.plala.or.jp/mami-/
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