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食育の講演が学校や企業だけで行われていたら、そのうち一般の私たちには食育は無縁のものになってしまう│。服部氏の食育の話をぜひ地元の人にも聞いてもらいたいと氏に講演を依頼し、OKの返事が事務局からファクスで鈴木さんの元に送られてきたのが今年の春のことでした。「さてこれはどないしよう。本当に来てくれるわ」。食育クラブ設立に向けての動きが本格化します。交友のある愛媛新聞の社員と鈴木さんの2人から活動を始め、メンバーが10人になったところで初めて顔合わせ。地元の小児科医師が会長を引き受けてくれることが決まり、8月18日、「うまっ子食育クラブ」発足の設立総会が行われました。
最初の目標は講演会を成功させること。活動資金を得るために、市のまちづくり助成金の獲得に取り組みました。鈴木さん宅に有志が集まり、プレゼンの準備です。「私がしゃべるんだけど、若い子が原稿を作ってくれて。30秒多いだとか言いながら作っている横で私は一生懸命におにぎり作って。できた原稿をしゃべって、また1分足らんとか(笑)。そうやって朝の3時半くらいまでした日が3日続いて」。その甲斐あってプレゼンは成功。活動費を得て、口コミでまた少しずつ会員が増えていきました。

当日の様子。会員さんらが受付を担当 |
老若男女、多種多様な人が講演会の成功に向かって動きました。チケットを売って動員をかける人、パンフレットにチラシを挟む人、会場の椅子を出す人…。鈴木さんも従業員と二手に分かれて2日間、西条から東のスーパーやコンビニ1軒1軒にポスターを貼りに動きました。それぞれが得意分野の役割を自発的に受け持っていく中で、皆の気持ちが盛り上がっていきました。
講演会当日。会員さんたちは黄色いジャンバーを着て、受付や場内整理などにせわしなく動きました。講演会が無事終了し、その後に服部氏を囲んでの打ち上げの席が設けられました。氏が一般の食育クラブの会員と席を同じくすることはこれまでに例がなかったそう。準備に当たってきた会員たちが初めて一度に顔を合わせる機会にもなりました。
今後は月に1回は食育に関する勉強会を開く予定。来年2月にはらくさぶろうさんを迎えての第1回食育セミナーを計画しており、その後も月1回程度、郷土料理のセミナーや三世代で学ぶ食育教室、親子向け・男性向け料理教室などが企画されています。
現在の会員数は32名。賛助会員(企業・団体など)もいます。会員は市内外を限らず、会社社長、単身赴任の男性、若いお母さん、印刷業、美容関係、地域で子どもの防犯に取り組むご婦人、レクバレーのお世話役など実にさまざま。これからは会としての勧誘は一切行わず、会員の口コミのみでやっていくのだそう。「いろいろな仕事を持った人やいろいろな立場の人がいて。それが民間の食育クラブの面白いところ。たとえばここに来て、思っていることを誰かに聞いてもらうだけでもごはんがおいしく食べられる。食育ということにこだわらなくても、食に関してそういう集まりがあってもいいんと違うかな」(鈴木さん)。
そんな食育クラブの誕生に服部氏は、講演会翌日に駅のホームで見送る鈴木さんたちに、このような言葉を残して帰ったのだそう。「人は一人でなく集まったら、気持ちが豊かになって、ごはんが美味しく食べられる。食は人を引き寄せるね。このうまっ子食育クラブがそれを証明してくれた。僕はとっても嬉しい。これをまた講演で伝えていく」。
「食は人を引き寄せる」。食と共に地域が元気になっていけばという思いが広がっています。
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