
龍馬歴史館 |
▼南国ICで下りて国道32号線を南進すると、やがて国道55号線に突き当たります。そこを左折して東進することおよそ10分。坂本龍馬が描かれた大きな看板を目印に、最初の目的地『龍馬歴史館』(香南市野市町)を訪ねました。関所を模した大きな門をくぐって駐車場へ。和風建物の入り口左には、右手を懐に入れた龍馬の銅像が立っていました。

土佐勤王党血盟の場面。右端が龍馬 |
館内では、坂本龍馬を初め龍馬の家族や共に活躍した勤王の志士たちなど180体のろう人形が、龍馬の33年の生涯を再現しています。人間国宝級と言われる台湾の作家の手によるろう人形はリアリティに富み、特に土佐勤王党血盟の場面などは、テレビドラマの1シーンを切り取ったかのように感じられました。館内照明を落とした中でスポットライトに浮かび上がる人物たちは、今にも演技の続きをしそうな感さえあります。
旧野市町は、土佐勤王党の副代表・大石圓(まどか)の出身地で、龍馬と同時代に活躍した志士がたくさん出ている地だそうです。土佐の志士を顕彰することを目的に昭和63年11月に開館しました。

世界に2台しかないと言われる
1907年製 F・I・A・Lロードスター(右) |
同館に隣接して『世界クラシックカー博物館』があります。世界に2台しかないと言われている1907年製のF・I・A・Lロードスターや同じく1907年製のフォードなど、22台のクラシックカーが展示されています。乗車コーナーのシトロエンとフィアットは、自由に乗ったり撮影したりすることができます。大きな車輪に大きな車体ですが、座席は現代の車にくらべると極端に狭く、窮屈そうです。しかしながら座り心地は非常に良いと感じました。同館の南には、『四国自動車博物館』があります。ヨーロッパのレーシングカーを中心に展示をしている博物館だそうです。また高知県立のいち動物公園もすぐ近くです。

駅の高架下に並んだ楽しいキャラクター |
▼野市を離れて海岸線近くへ出ることにしました。高知に来るたびに一度は乗ってみたいと思っていた土佐くろしお鉄道『ごめん・なはり線』に、赤岡駅から乗車するためです。日本最後のローカル線、ごめん・なはり線は、南国市御免駅から奈半利駅まで42・7qを結んでいます。今回の下車駅は、海の公園『ヤ・シィパーク』のある夜須駅です。たった2駅ですが、海岸線沿いの高架からの眺望が期待できます。

赤岡駅のキャラクター「えきんさん」 |
赤岡駅の高架下には、ごめん・なはり線の各駅のキャラクターが一堂に会したコーナーがあります。各駅のキャラクターは、高知出身の漫画家やなせたかしさんが考案したもので、その土地の特産物や縁のある人物などをモチーフに創られています。ちなみに赤岡駅のキャラクターは、江戸時代この地で芝居絵屏風を残した絵師金蔵(略して絵金=えきん)の『えきんさん』。両手に絵筆を持っています。隣の香我美駅は、特産の山北みかんがモデルの『かがみ
みかんちゃん』。夜須駅は海水浴場で行われるマーメイドコンテストにちなんで『やす
にんぎょちゃん』という具合です。やって来た電車は一般車両。ボディには各駅のキャラクターが描かれていて、かわいいのなんのって…。駅名とキャラクター名がアナウンスされるので、何だか愉快な気分になりました。

ヤ・シィパーク |
 |
夜須駅で下りると、すでにそこが『ヤ・シィパーク』。名前の通りヤシの木がここかしこに植えられ、南国気分を醸し出しています。道の駅『やす』、芝生広場やピクニックサイト、子ども広場など、ひろびろとした空間が広がります。芝生と砂浜との間にはボードウォークが設けられ、長さは数百メートルにも及びます。トイレ、シャワー、更衣室が完備のビーチハウスは、車いすでの利用も可能。この公園は、きれいな水質と砂浜、そして充実した設備で人気の海水浴場です。
この日は良い天気に恵まれて、家族連れや遠足の子どもたちで賑わっていました。中には海に足を入れる子どもたちもいるほど。高知龍馬空港が程近いので、離着陸の飛行機が時折沖合の上空を行き交います。ボードウォークに腰を下ろして、のんびりと広い海と青い空と飛行機を眺めていました。やがて赤岡駅に戻る電車の到着時刻が近づいたので、プラットホームに上がりました。

オープンデッキ付きの特別車両と、デッキからの眺め |
時刻表によると、今度乗るのは特別車両で海側はオープンデッキになっているとのこと。やってきた電車はちょっと形がかっこいいグリーンの車体です。車内に乗り込むと、さっそくオープンデッキへ。風を体いっぱいに感じながら、きらきらと光る海の景色を堪能しました。あっという間の6分間でしたが、念願の土佐くろしお鉄道の旅の良さを味わうことができました。

絵金蔵

本物の屏風絵ののぞき穴 |
▼次に訪れたのは、絵金さんが残した23枚の屏風絵を収蔵している『絵金蔵』(同市赤岡町)です。絵金さんの屏風絵は、年に1度だけ絵金祭の夜に、商家の軒先に立てられて和ろうそくの明かりだけで見ることができます。絵金蔵ではレプリカを展示して、室内を暗くして祭の夜に見るのと同じ雰囲気を作り出しています。暗闇に浮かび上がる絵金の屏風絵は極彩色と勢いのある筆使いで、恐いほどの迫力があります。蔵には2つの穴が開けられていて、収蔵庫内の本物の屏風絵を見ることができるようになっています。

公開されていた屏風絵(部分) |

7月の絵金祭のようす |
絵金蔵の隣では、弁天座芝居小屋の建設が進んでいました。大正期に建てられた芝居小屋を現代に、との地元の思いが形になったとのこと。こて絵に描かれた弁天様が工事を見守っていました。7月に予定されているこけら落としの演目は、土佐絵金歌舞伎伝承会による『葛の葉』。地元の有志が演じます。伝統や文化を後世に残す努力が、地元の人たちの手によって続けられていました。
香南市は他にもみどころがいっぱい。ONE
DAYでは納まり切りません。また別の機会に、トライすることにいたしましょう。
|