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2007年4月号掲載

工場見学 〜牛乳が届くまで〜  〜らくれん 本社工場
 松山自動車道・川内IC近くに、四つ葉クローバーに白いハトのマークを掲げた社屋があります。愛媛の人には牛乳でおなじみの『らくれん』です。高速道路を挟んで、本社ビルと本社工場が立っています。愛媛の酪農家は234戸(平成18年2月調べ)。愛媛で生産された生乳が、どうやって私たちの手元に届いているのかを見てきました。


らくれん本社工場

 高速道路を下り、国道11号線に出てすぐに左折し、県道23号伊予川内線に入ると『らくれん』は目の前です。本社敷地には県道に沿って桜の木が植えられていて、道ゆく人の目を楽しませてくれています。高速道路の下を通って工場へと向かいました。門衛さんに来社の旨を伝えると、白いユニフォーム姿の工場次長さんが迎えにきてくれました。工場の2階で、会社の概要や製品ができるまでの話を聞き、製造ラインを見学させてもらいました。

『らくれん』ってどんな言葉?
 『らくれん』とは、四国乳業鰍ナ製造・販売される牛乳や乳製品のブランドとして使われている言葉で、四国乳業梶A愛媛県酪農業協同組合連合会、およびグループ企業の総称としても使われています。
 愛媛県酪農業共同組合連合会は、愛媛県内の酪農専門農協の連合会組織で、昭和40年に設立されました。生乳生産に関わる指導を行ったり酪農事業を運営するとともに、県下の酪農家から生乳を一元集荷し四国乳業などの乳業メーカーへ販売しています。
 四国乳業鰍ヘ、牛乳や乳製品の処理加工と販売を受け持つ会社で、昭和43年の設立です。生産者自身が生乳を加工して消費者の元に届けようとする趣旨で作られました。四国唯一の農協プラント系の乳業メーカーで、本社工場は国内トップクラスの規模です。他に、坂出と京都にも工場があります。

シンボルマークの意味は?
 緑のクローバは牛のエサを表し、白いハトは牛乳の白を表しています。健康な牛を育てるために酪農家は丹精を込めて良いエサを与え、生乳を作ります。新鮮な牛乳を飲んで健康で平和な生活を、という意味が込められているそうです。


タンクローリー


生乳はどのくらい集まるの?
 本社工場の場合は、1日に160トン入ってきます。その内、愛媛産は150トンで、10トンは高知産です。愛媛産の内、70%が大野ヶ原、野村など南予で、22%が東予、8%が中予です。

どうやって工場へやってくるの?
 酪農家で搾られた生乳は35℃から36℃。すぐに5℃から6℃までに冷やされ、タンクローリーで集められてこの工場へ運ばれてきます。タンクローリーは魔法瓶の構造になっているので、内部の温度は上がりません。


巨大なサイロタンク
工場に入ってきた牛乳は、まずはここで貯蔵。

製品となって出荷されるまでどのくらい?
 生乳が集められて製品となって出荷されるまで、ほとんどが24時間以内だそうです。1日に出荷されるのは200CCに換算して70万本で、140トン。残り20トンは発酵乳などになります。学校給食がない時期は生乳がだぶつきますが、それでも48時間以内に処理されます。


検査室内部


牛乳になるまでの工程は?
 運ばれてきた生乳はトラックスケールで重さが計られた後、風味や細菌の数や抗生物質の有無など細かく検査され、合格した生乳だけが製品となります。合格した生乳はすぐに5℃以下に冷やされて、サイロタンクに貯蔵されます。酪農家ではミルカーで搾乳しているのでゴミが混入することはほとんどありませんが、さらに遠心分離を利用して目に見えない小さなゴミまで取り除かれます。
 次に、牛乳の脂肪を細かく砕いて均質化をします。均質化されることによって、飲んだ時に消化吸収が良くなるそうです。130℃の超高温で2秒間殺菌の後、一気に3℃にまで冷まして製品となります。充填・包装された製品は製品検査を受けて、合格したものだけが出荷されます。


牛乳の充填ライン

製品を作っている所はどうなってるの?
 牛乳が機械を移動する時には常に冷やされた状態でステンレスのパイプの中を通ります。また一連の作業の流れは、コンピュータ室で操作されています。コンピュータ室は、衛生管理の心臓部です。製造が終わった後のタンクやパイプ機器も自動洗浄・殺菌されます。高い最新技術と細心の注意を払った衛生管理の下、毎日製品が作られています。大型パックなら毎時24000本、小型パックなら25000本というハイスピードで次々と製品が出来上がっていきます。


工場から製品が出発!!


製品は、どこへ運ばれるの?
 学校やスーパーや牛乳販売店に運ばれます。四国一円はもとより、中国地方、関西圏でもらくれんの製品が扱われています。

らくれんの最も大きな特徴は?
 生乳の生産から製品の販売までを行っているので、トレーサビリティ(生産・流通の履歴)がしっかりとしているところ。どこの牧場から出た生乳でできた製品なのか、必ず判るようになっています。


工場内にあるPR室

らくれん本社工場は団体見学ができます

◆見学受付:本社工場事務課
 電話=089-966-6111
◆見学可能日時:午前9時〜正午
 月〜金曜日(土日祝祭日、年末年始の見学は無)

牧場を訪ねて

 生産者の声を聞くために、四国中央市寒川町の藤井牧場をお訪ねしました。藤井牧場には、乳牛が約60頭、仔牛もほぼ同数飼育されています。訪問した時にはちょうど搾乳が終わったらしく、搾乳機(ミルカー)の洗浄が行われているところでした。同牧場経営者の藤井茂喜さんにお話を伺いました。

【藤井さん】毎年、小学生が見学に来るけれど、どうやって牛乳になるのかみんな知らない。一般の人が少しでも知ってくれて、地元の牛乳を飲んでくれたらいい。少子化と若い人の牛乳離れで、牛乳の消費は低迷している。(スーパーの売り出しなどで)水よりも牛乳の方が安い時さえある。牛乳は、牛の身体の中で栄養分が調整されているから完全な栄養食品。牛乳の良さを広く知ってもらって、消費につながればと思う。牛乳を飲むと太ると思われているけれど、そんな心配はないんだけれどね(※)。
 牛は、1リットルの牛乳を作るのに血液が500リットルも必要とされる。身体を削って乳を出している。牛はつながれているけれども相当な労働をしていて、乳を出すということは牛にとったら過酷なことよ。そうやって精一杯お乳を出すから、母牛としての寿命は短いんよね。
 消費者に喜んでもらえるような牛乳を生産することに命を懸けている。毎日、成分検査が行われ、数字となって表れる。病気になって注射をすれば、その薬効が切れるまでは出荷はできない。生産者は、乳の成分を維持することや牛の健康を保つように、懸命に努力をしている。
 どこの乳業メーカーも、最初は牛乳を飲んで健康な生活を送ってもらいたいと願って、牛乳を売り出したはずだ。利益だけを追求するから、事件が起きる。(らくれんは)我々生産者が出資してつくった会社だから、私らにも責任がある。生産者全員が支えている会社がつくる牛乳だから、安心して飲んでもらえる。


(※)牛乳には体脂肪を減少させる効果があるという研究結果が発表されています。

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