■わきあがる水を五感で堪能 〜西条うちぬき


嘉母神社 手洗水 |
街中のいたるところで水が湧き出す「うちぬき」で有名な水の郷・西条市に、涼やかな癒しを求めて行ってみました。うちぬきとは、石鎚山系を源流とする加茂川の水が地下深くしみ込んで、自然の圧力によって地上に噴き出してきた水のこと。全国名水百選にも選ばれている良質の美味しい水です。旧西条市には推定3億トンの地下水があり、鉄パイプを地中に打ち込むだけで水が湧き出る自噴地帯が広範囲にわたって存在します。
最初に訪れたのは、加茂川にかかる古川橋から西岸を少し下流に進んだところにある『嘉母(かも)神社』。周辺の禎瑞(ていずい)地区は「うちぬき発祥の地」といわれ、地下水の豊富な所です。この神社では手洗水自体がうちぬきとなっており、円形の手洗台の中央部分から新鮮な水がとどまることなく湧き上がっています。石の隙間から水がこぼれ落ちている様も、清々しさを感じさせてくれます。「手水の使い方」にしたがって、手を清めて口をすすぎ、ひと口飲んでみました。冷たくまろやかで癖のない、とても美味しい水です。嘉母神社の水は、平成8年の全国利き水大会で「一番おいしい水」として日本一に輝いています。同じ時に、市内から時々水を汲みに来るという方が訪れていました。私たちもお参りをして、ペットボトルに御神水をいただきました。

海の上にある「弘法水」 |
次に目指したうちぬきポイントは、海の底から清水が湧き出す『弘法水』。本陣川の河口、小さな船乗り場のようにせり出した場所に、弘法大師像に守られる形でうちぬきの湧き出る「つくばい」が置かれています。その昔、弘法様が杖の先で突いて湧き出したといわれ、弘法大師の加持水として伝えられています。ここでも水を汲みに来る人の姿が見られました。

うちぬきの仕組み模型(西条こどものくに) |
弘法水を後にし、うちぬきの仕組みがよく分かる展示が置かれている『西条市こどものくに』に立ち寄りました。1階に旧市内のミニチュア模型があり、ボタンを押すと、うちぬきについての説明が始まります。説明に合わせてポイント地点がライトアップされたり、地面がせり上がって地下水の流れを見ることができたりする、とてもよくできたセットです。どうして自然に水が噴き出すのか不思議だったうちぬきの原理が分かり、その有り難みがさらに増す思いがしました。
学芸員さんによると、うちぬきの水温は年中13〜14度で一定に保たれているのだそう。噂に聞いていた「西条は水道代が要らない」というのは、自噴地帯でなくてもポンプを据えれば市内全域で地下水が利用できるからだと教えてくれました。こどものくにには、だんじりや昔の道具なども多数展示されています。

アクアトピア水系の散策道 |
最後に、うちぬきの恵みを全身で感じることのできる「アクアトピア水系」を訪れました。市内最大の湧水である「観音水」から流れ出す川に趣のある散策道が設けられており、サギや川魚が見られます。川沿いには、総合文化会館横の水飲み場や、名水で育った新鮮な野菜や花を販売する水都市(すいといち)など、多くの人でにぎわうスポットがあります。
命の源といわれる水の恵みを身体いっぱいに受け、ペットボトルもいっぱいにして帰りました。
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