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2008年3月号掲載

古くて新しい“道後” 〜道後温泉 周辺情報〜
 日本最古の温泉と言われる道後温泉(愛媛県松山市)。松山城と並んで、県都松山の象徴です。今、道後温泉周辺が新たな賑わいを見せています。古くて新しい道後を巡ってきました。


道後温泉本館 正面より

▼何はともあれ、道後温泉本館へ
 道後でまず訪れたいのは、国の重要文化財に指定されている『道後温泉本館』。同本館は、昨年ミシュランのガイドブックで三ツ星を獲得して話題になりました。L字型の商店街の土産物屋さんなどを覗きながら、同本館へと向かいます。ここでは入浴を楽しむのはもちろんですが、建物自体もじっくりと味わってみたいと思います。以前は本館前を車道が通っていましたが現在は道が付け変わり、本館の南側から東を廻って鷺谷方面のホテル街に抜ける道ができています。本館前と北側は車が来る心配がないので、外からもゆっくりと建物を眺めることができます。本館前には人力車が止まり、観光気分を盛りあげてくれていました。


南側〜又新殿

振鷺閣がよく見える北側

 道後温泉本館は明治27年に完成。また、皇族専用の浴室『又新殿(ゆうしんでん)』は明治32年に造られました。明治時代の温泉の建物が、当時の姿のまま残っているのは珍しいそうで、アニメ映画『千と千尋の神隠し』の油屋のモデルになったとも言われています。

 建物の最上部の『振鷺閣(しんろかく)』の中には、太鼓が吊り下げられています。午前6時、正午、午後6時に打ち鳴らされる太鼓は刻太鼓(ときだいこ)と呼ばれ、『日本の音風景100選』に選ばれています。刻太鼓は、道後温泉本館ができた当時から続いているそうです。振鷺閣の四方は赤い板ガラスがはめ込まれていて、陽の光を受けてきらきらと輝く様子は美しく、また夜になれば赤い光を放って建物に彩りを添えています。赤いギヤマンが織りなす光景は必見です。

又新殿
又新殿の玄関『御成門』

 道後温泉本館を囲む玉垣には、白鷺がちょこんと乗っています。道後温泉は、脚に傷を負った白鷺が、岩の間から出ている温泉に脚を浸けて傷を癒したことから発見されたと伝承されています。振鷺閣の屋根には羽根を広げた白鷺が1羽、北を向いて止まっています。現在の本館入り口は西を向いていますが、明治時代には北側に入り口があったのだそうです。東側には又新殿の玄関『御成門』があります。三層になった屋根は重厚感溢れる造りです。

 本館東側には新しくできた広場があって、卓球台を備えた休憩所がありました。ラージボールとラケットが用意されていて、スリッパラケットもあります。温泉には卓球がつきもの、さっそく卓球にトライしてみました。ボールが大きいので、思ったより簡単にラリーができました。観光客らが次々と利用するらしく、その後の散策の途中にも、広場から時折大きな歓声が聞こえてきていました。建物横には、夏目漱石の小説『坊っちゃん』発表100年を記念して、碑が建てられています。


卓球台を備えた休憩所

スリッパピンポンが楽しめます



本館を見下ろす冠山にある湯神社

中嶋神社の玉垣

▼道後巡りに出発
 左右に大きなホテルが立ち並ぶ白鷺坂を散策します。足湯や手湯を設置しているホテルも多く、宿泊客だけでなく誰でも無料で利用できるものもあります。案内板にそって右に曲がり急な坂道を上って、白鷺墓地の入り口に着きました。司馬遼太郎氏の小説『坂の上の雲』の主人公である秋山好古や俳人・中村草田男、道後温泉本館建設に尽力した伊佐庭如矢(ゆきや)らが眠っています。



 再び道後温泉本館まで戻り、すぐ近くの冠山に続く坂道を上がって『湯神社』へ。湯神社には、道後温泉の守り神として、大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られています。境内には『中嶋神社』があり、玉垣には県内や近県各地の製菓会社や菓子舗の名前が多数刻まれています。同神社は菓祖・菓子の神を祀っているのだそうです。




伊佐爾波神社


 冠山を下りて伊佐爾波坂を上り、正面の『伊佐爾波神社』に向かいます。朱塗りの社が見えているものの、社の前には急勾配の石段がそびえています。遠回りではありますが辺りの景色を楽しみながら、車道を歩いて社殿まで行くことにしました。こちらも急勾配でちょっと息切れしそうな坂道で、社殿の裏側の駐車場につながっていました。表に回って色彩鮮やかな楼門から中に入り、参拝した後、社殿を囲む回廊を歩きました。回廊には何基もの御輿が保管され、奉納された数多くの額が展示されています。






円満寺の大地蔵



 境内から延びた散策路を歩いてお隣の『宝厳寺』へ。宝厳寺は時宗の開祖・一遍上人の生まれたお寺として有名です。境内には正岡子規の句碑があります。宝厳寺からネオン坂を下り、道後温泉本館に続く道の右手奥に、『円満寺』があります。境内には、行基が楠の大木に彫ったものと伝えられている白塗りの地蔵尊が安置されていて、湯の地蔵、延命地蔵、火除け地蔵とも言われています。


 伊予鉄道道後駅前まで戻り、『放生園(ほうじょうえん)』の足湯で一休みです。道後は坂の多いまちで、方々を見学して廻るとけっこう足にきます。のんびり足湯に浸かって、しばしリラックスタイムです。この足湯には身嗜所(みだしなみどころ)があって、女性客に重宝されています。



道後公園内の湯釜薬師。
温泉の湯口に使われた最古の湯釜で、宝珠に彫られた「南無阿弥陀仏」の号は一遍上人が刻んだと言われます。

 道後周辺には、他にも『子規記念博物館』や『道後公園』『湯築城跡』など見所がたくさんあります。各所は道後村めぐりのポイント地点となっています。

『道後村めぐり』 スタンプラリー
【道後村めぐりスタンプ帳】
各ポイントの写真や説明と共に、道順、距離や所要時間、トイレや休憩所の案内なども掲載されており、ガイドブックとしても便利。
 30周年を迎えた『道後村めぐり』には、道後温泉を中心に周辺部を巡る1番から13番までのコースと、少し足を延ばして松山市内の旧跡などを巡る14番から30晩までの公害コースがあります。書くポイントには、その場所にちなんだ俳句や歌を刻んだスタンプが用意されてあって、スタンプ帳に押印して巡っていきます。

 スタンプ帳は、道後商店街振興組合や道後商店街各店、ホテルや旅館などでも購入ができて、値段は250円。全ポイント箇所のスタンプが集まれば、道後村名誉村民証と道後温泉本館入浴券と記念品がもらえます。どのポイントから巡っても自由で、有効期限もありません。

 道後村めぐりについての問い合わせは、道後村役場村民課(道後商店街振興組合内)電話=089-931-5856へ。
【スタンプ箱】
案内板とともに、スタンプが置かれた箱が設置されています。
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