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2008年6月号掲載

【特集】全国育樹祭に寄せて 〜第1回〜

 平成20年10月25日、26日に、第32回全国育樹祭が愛媛で開催されます。10月26日には、県の内外から約3000人が参加して、「育てよう 緑あふれる 日本の未来」をテーマに式典が挙行されます。式典会場は、全国有数の木造公共施設である『愛媛県武道館』(=松山市市坪西町・松山中央公園内)で、育樹祭としては初めての屋内会場となります。
 前日の25日には、昭和41年に第17回全国植樹祭が行われた『久谷ふれあい林』(=松山市久谷町大久保)で、皇族殿下が昭和天皇・香淳皇后がお手植えされたスギの木のお手入れをされます。

 本紙では、育樹祭開催までの期間中、関連記事を毎月掲載します。

〜 インタビュー 〜

松山流域森林組合・前組合長 中川正鶴さん

随所に間伐材が使われている
  松山流域森林組合の事務所

中川正鶴さん

 東温市上村の松山流域森林組合を訪問。同組合は、材木をふんだんに使ったお洒落な建物です。中川正鶴さんは、同組合の前組合長さんです。吹き抜けの広々とした事務所で、待ってくれていました。
 同建物は、平成9年に、坂本、重信、川内、松山の4つの森林組合が合併した時に建てられたもので、中川さんはそのことにも尽力されたそうです。森林組合との関わりからお尋ねしました。

 農林業と言いますか、昭和40年代ころまでは山でみかんを作っていたんですよ。本格的に関わるようになったのは昭和59年からです。農業もしながら携わるようになりました。植樹祭当時は20代で、坂本森林組合だったんです。(植樹祭に備えて)かなり前から穴を掘って、苗木を植える場所の印付けをしたりしました。当日は組合の連中は1つになって、場内の整理などに当たりましたね。

 山に愛着を持っている中川さん。山の思い出は?

 山は若いころから好きで、山の手入れをしながら執着がありましたね。ですから山登りもよくしました。山に居るから山が好きになったんでしょうかね。
 夏場は、黒部、立山、穂高など、アルプス山系にもよく登って、1週間くらいはいましたよ。冬場は、こちらの石鎚山系を登っていました。胸まで雪に埋もれてのトップのラッセルはしんどくて、10分くらいしかできない。交替しながら、そうやって正月を越した時もある。山スキーもよくやりました。瓶(瓶が森)の縦走を1日でしたこともある。三坂峠から麓の坂本屋(=松山市窪野町)まで、スキーで下りたこともあります。転びながらどんどんと…。


 三坂峠から窪野町への道はへんろ道の難所と言われる所で、かなりな急坂です。とても楽しそうに、山登りや山スキーの話をしてくれました。


愛媛県武道館

県武道館の柱材として集められた丸太
 (平成14年9月撮影)=愛媛県森林組合
連合会木材加工センター(松山市中野町)

 愛媛は県土の70%が山という森林県。県武道館は、柱や屋根や壁床、座席など、至る所で県産材が使われています。中でもスギの丸太は武道館のシンボルとなっています。武道館建設時の話を伺いました。

 県武道館の柱は、樹齢100年以上のスギの木ばかりが使われている。あの材木を集めるのに1年かかった。県森林組合連合会が集めたんだけれど、集めるのはたいへんでした。100本くらい集めたでしょうか。直径62pの丸太にしているけれど、原木の直径は1b50pくらいはあった。
 探したらあるもんですね、県下には。ほとんどが個人の所有でした。代々に伝わる家宝だから、出す訳にはいかないと言う人もいる。子の代、孫の代、というように何代も木を置く訳。そうでないと大きな木は残らない。
 300年ほどの木を出した時は、見事でした。木を切り倒してしまうと傷むので、レッカーで吊っておいて、上から順に切ることになった。レッカーも入らないような場所だから、まずレッカーを入れるための道から造ったんですよ。木の回りに足場を組んで、森林組合の労務の人が上がって、長さ10bくらいに切り回したんです。普通なら切り口が段になってしまうが、立っている木を全く段差なく見事に切った。まさに匠の技だよね。
 東は川之江・三島から、南予の城辺あたりまで、材木を集めました。たいへんな事業でしたよ。最も記憶に残る仕事です。


 原木集めに奔走した当時のことを話す中川さんは、とてもいきいきとしています。最後に、林業のこれからについて話を伺いました。

 農業も林業も、跡を継がない人が多いらしい。過疎化も大きな要因だけれど、打ち込む魅力がなければ後が続かないからね。
 育樹祭をきっかけに、森林に関心を持ってもらいたい。都会からやってきて、山のことをしようとする人も時々いる。山仕事はきれいな仕事ではないし危険も伴うけれども、訓練をすれば何も問題はない。今は機械化林業を広めていっているから、若い人の中にも好んでやってみようとする傾向も生まれてきている。大型機械も入れていかなければ、若い人が魅力を感じる林業は育たない。

 「山の手入れをして、山を健全に保ち、緑を守るのが森林組合の仕事」と中川さん。需要と供給のバランスが崩れている現在の林業を心配しつつ、若い人たちの活躍に期待を寄せています。


〜 久谷ふれあい林を行く〜 

 昭和41年に第17回全国植樹祭が行われ、今回の育樹祭ではお手入れ会場となっている『久谷ふれあい林』は、地元の坂本森林組合(当時)が手入れを行い、平成9年に近隣の森林組合が合併して松山流域森林組合になってからは、同組合が引き続いて間伐や枝打ちや下草刈りなどの手入れを行ってきました。


 前組合長の中川正鶴さんに案内して頂いて、久谷ふれあい林を見学してきました。前回(2月)の取材では、国道33号線からふれあい林に続く林道(約1260b)は道路整備の最中で、くっきりと残った轍と数日前に降った雪のせいで道がぬかるみ、ほんの少し上った所で前進を断念せざるを得ませんでした。道路工事が終了すれば、再チャレンジをしたいと思っていたのです。


木装されたガードレール
=久谷ふれあい林入口

 同森林組合の事務所(=東温市上村)を出発し、松山市窪野町を通って、同市久谷町大久保に続く道に入ります。この道路も昭和41年の植樹祭に備えて作られたそうで、村道(当時)塩ケ森線(浄瑠璃寺から塩ケ森に至る道)です。勾配は急で、山道をぐんぐんと上って行きます。見る見る間に眼下に景色が広がっていきました。くねくねと山道を走ること約10分。やっと国道33号線に出ました。ふれあい林に続く林道の入り口は、すぐそこです。
 林道の入り口付近では、同森林組合の人たちが急斜面の山肌で下草刈りの作業をしていました。林道はすでに舗装工事も終わり、木装のガードレールが随所に設けられています。森の中を数分も走ると、あきらかに周りとは異なる空間に行き着きました。今回の育樹祭に備えて整備が行われ、林全体がきれいに仕上げられているのだそうです。周辺の森と見比べると、枝打ちがていねいにされているのが良く判ります。



久谷ふれあい林

お手植えのスギ

 同地は松山市の南東22qにあり、車で約40分の距離。松山と高知を結ぶ国道33号線沿いにあって交通の便が良く、眺望も良いことから、植樹祭会場に選ばれたとのこと。植林地として、約10fが用意されました。『戦争で荒れはてた山河を緑でいっぱいに』をスローガンに、13000人が同植樹祭に参加し、スギやヒノキの2年生苗木30000本が植樹されました。40年余りたった今では、見事な森に成長しています。
 たくさんの木々が育っている中でも、お手植えのスギはすぐに判りました。れんが造りのプロムナードが、そのスギを正面に、森の中を真っ直ぐに伸びていたからです。お手植えのスギは、全部で6本。両陛下が3本ずつ、『森』の字型になるように植えられたのだそうです。周りには、青々とした芝生が植えられていました。
 中央の林を囲むように巡らされているプロムナードは、採石が敷き詰められていて、道幅はゆったりです。「ここを歩いて行かれたんですよ」と、中川さんが植樹祭の日のことを話してくれました。当日は霧雨の降るあいにくの天気で、標高420bの同所は、4月だというのに気温は5・5度。現在は豊かな緑の森になっている同所も、植林の地に選ばれた当時は周りに風除けになるものは何もなく、下から風がまともに吹き上げてきて、陛下に差し掛けられた傘もじょうごになってしまったそうです。中川さんは、「相当寒かった。お気の毒でした」と当時を振り返っていました。



新たに植えられた苗木

 中川さんに木々について解説をして頂きながら、ゆっくりと林を一周しました。あちらからこちらから、野鳥の声も聞こえてきます。林の中は、40年の間にこれほど差が付くのかと思うほど、太く高く成長している木もあれば、まだ細いままの木もありました。当時はびっしりと植えられていた苗木も、5年に1度くらいの間伐を重ねて枝打ちもされて、木の根元まで陽が当たるようになっていました。高さ8bから10bほどの木が、手入れをされて行儀良く並んでいるのは、なかなか美しい光景です。間伐されて年月の経っている切り株は、徐々に朽ちて土に還ろうとしていますし、大きく育った木の下には、次代を育てるべく、新たな苗木が植林されていました。
 中央の林より一段高くなっている周囲の森にも、遊歩道が設けられています。5月10日には、同所でえひめ植樹祭が行われ、ロータリーに山桜や椿が植えられました。緑の山に、桜と椿が彩りを添えてくれそうです。久谷ふれあい林は、たくさんの木々に囲まれながら、それでいて明るい、という印象を持ちました。

式典参加者募集 
【応募資格】
愛媛県内在住の小学生以上の人
※小中学生は、保護者同伴が条件。
介助を必要とする人は、介助者と共に参加することができます。

【応募方法】
@郵便番号A住所B氏名CふりがなD年齢
E性別F電話番号G車いす利用の有無など介助の必要な人はその旨を記入して、
郵便はがき、ファクス、電子メールで応募のこと。
1通につき2名まで(保護者、介護者を含む)、同居家族の場合は5名まで申し込み可能。

【募集人数】300名(定員を超えた場合は抽選)

【募集締め切り】平成20年6月30日

【発表】案内状の発送をもって発表とする

【あて先、問い合わせ先】
第32回全国育樹祭愛媛県実行委員会事務局
住所:松山市一番町4丁目4−2 愛媛県庁
TEL:089-912-2518 FAX:089-947-1047  メールアドレス:ikujyusai@pref.ehime.jp
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