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活性化センターが誕生したのは平成4年のこと。愛媛県の東予地域の10の市町村(=当時、現在では四国中央市、新居浜市、西条市の3市)が、地域の水源林づくりを行うために負担金を出し合って設立されました。東予地域は、紙・パルプ工業、重化学工業、飲料など、四国随一の工業地帯であり、同時に穀倉地帯でもあります。農業用水、工業用水の確保は各市町村にとって、最も重要な課題の1つでした。
同センターでは、東予流域にある5万5千fの人工林の内、2万2千fが放置林となっている現状を把握し、これら放置林を貯水能力の高い水源林に転換する計画を平成8年に策定しました。
この施策に対して公的支援が行われることになった訳ですが、それには納税している地域住民に、人工林を放置したままであることが川下の住民の生活にどのような影響があるのか、水源林づくりがどうして有用なのかを、知ってもらう必要がありました。そこで考えられたのが、水源の森づくりボランティアへの参加の呼びかけでした。
平成10年7月に、新聞の折り込み広告でボランティアの募集を行ったところ、57名の参加申し込みがあり、同年8月よりボランティア事業を実施することになりました。参加者の総意で、同年10月に『石鎚水源の森くらぶ』が設立されました。
『石鎚水源の森くらぶ』は、これまでに128回のボランティア活動を実施し、延べ6500名近い人が参加しています。会員数(平成20年5月現在)は、西条支部、新居浜支部、四国中央支部を合わせて273名とのこと。毎年、年間20数回に及ぶボランティア事業計画が立てられています。
【上野さんに聞きました】
▼水を蓄える山とは?
全く草が生えていないような山の間伐をした後に広葉樹を植えて、下草のよく生える日光の差し込む山づくりをすると、水をよく蓄えるんです。放置林だと1f当たり7000トン。手入れをすると8000トンとなって、1000トンの差が出る。放置林は、雨が降ってもそのまま流れるし、表面から蒸発をする。地面に水がしみ込まないんですね。手入れされた山になると、水がなかった谷に、水が流れるようになるんですよ。

水源の森づくり活動の様子 |
▼ボランティアさんたちは、どのような作業をするのですか?
間伐から始まって全てをしてもらうんですよ。木を倒すのは今はプロにしてもらっていますが、枝払いなどはボランティアがやっている。間伐した木を搬出して地ごしらえをして、広葉樹を植えます。作業は午前中に終えるようにしています。1回の参加は、50人くらい。そうでないと目が行き届かない。次の回は西条市内の山だけれど、その次は新居浜、その次は四国中央というように順番にしています。活動拠点の森林は13カ所あります。山がほぼ仕上がるのには10年かかります。10年続けなければ、水を蓄える山にはならない。もうそろそろ卒業を迎える森もありますよ。」

194号線沿いにある「加茂川水源の森」 |
▼どのような森で活動をしているのですか?
多くの一般の人たちに知ってもらいたいので、国道沿いとか森林公園などで行っています。国道194号線(西条市〜高知市)沿いとかね。広い所で2・5fくらいです。そういう場所で旗を立てて活動をしていると、目立つんですよ。それを見て参加する人が増える。看板も立てています。
▼活動の成果は?
森林所有者には、指導に来て下さいとか作業に来て下さいと声を掛けていました。都市部の住民が山へ入って手入れをするもんだから、まちの人がこんなにしているのなら自分の山を放っておく訳にはいけないと、山持ちさんも思い始めたんですよ。じっとしてはいられないということで、奮起して所有林の手入れをし始めました。今は放置林は7000fくらいに減っています。(この活動の)効果は大きい。団体としては、四国で最も活動している森林ボランティアだと思います。
▼どのような人が参加しているのですか?
始めた頃より、平均年齢が上がって来ている。50歳代後半になっているのではないか。それでも20代の若い人もいますよ。また、小さい頃からずっと参加していて、高校生や大学生になってもボランティアに出てくる子どもさんもいる。水を使う企業からの参加もあります。

山火事後の山の再生にも取り組んでいる |
▼経験がなくてもできますか?
参加申し込みする時に、山仕事の経験の有無を申告してもらうんです。経験のない人の中には、山の歩き方から教えることもあります。つまづいてばかりで、上手く歩けない人もいるんですよ。経験のない人には、経験のある人が付いて教えてあげるほか、指導員が3人はいるので、鎌の使い方などもていねいに教えています。初心者には、道路ぎわなどの草刈からしてもらっています。
▼今までに困ったようなことはありましたか?
まち中で生まれ育った人は、森林ボランティアに来るといっても、経験がないから解らないんですね。長袖の作業服で来て下さいと書いてあっても、夏は暑いもんだから、半袖のシャツで来たりする訳です。携帯用の蚊取り線香は必需品で、腰に付けてもらうようにしています。無理をしない、挑戦をする時には慣れた人と行う、単独行動はしないということを徹底しています。幸せなことに、ボランティアさんが今までに怪我をしたことは一度もありません。

炭焼きの窯をこしらえて、竹炭づくりに挑戦 |
▼作業の他に森での楽しみは?
(ボランティアさんたちは)春や秋には作業が終わった後、周辺を散策して野鳥の声を聞きに行ったりしています。山が好きな人が多いので、リーダーが今度はどこに連れて行ってくれるのか、楽しみにしているんです。
竹林の整備に行った時には、「春にはタケノコを掘らせてあげて下さいね」と山持ちさんに頼んでいるので、4、5月には「タケノコ掘りに行ってきた」と楽しそうに言っていますよ。クリの木も植えているので、秋にはクリ拾いに行ったり。活動拠点森林は、お借りしている間は自分たちの山ですから、そのようなことも自由にできる。

山村の住民運動会に参加して交流(上・下写真とも)。
山を通じた活動が広がっている |
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石鎚水源の森くらぶの活動は森林整備にとどまらず、山村住民との交流に発展しています。
平成14年からは、過疎高齢化で廃止の案も出ていた山村の住民運動会に参加するようになり、300人を越える賑やかな交流イベントとなっています。ボランティアの中には、放置された棚田を守る活動グループをつくったり山に定住する人も出てきています。
平成19年3月、石鎚水源の森くらぶはそれらの活動が評価されて、(社)日本森林技術協会主催の山村力(やまぢから)コンクールにおいて『山村力発揮大賞』を受賞しています。
【石鎚水源の森くらぶ】事務局
東予流域林業活性化センター
愛媛県西条市大町1211番地(新居森林組合2階)
TEL(0897)-55-0880 FAX(0897)56-8818
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