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平成11年にしまなみ海道が全線開通してより、今年は10周年を迎えます。沿線各地で活動が進むグリーン・ツーリズムへの取組みについて、『しまなみグリーン・ツーリズム推進協議会』の事務局をお訪ねしました。
グリーン・ツーリズムとは農山漁村地域において休暇を過ごし、農林漁業体験などを通してその地域の自然や文化に触れ、人々との交流を楽しむ旅のことです。新しい旅の形として、注目を浴びるようになっています。
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今治北インターから高速道路に入り、左手に造船所に係留されている大きな船を眺めながら来島海峡大橋を渡ります。3連吊り橋のケーブルが織りなす力強い美しさを堪能しつつ大島へ渡り、さらに伯方島へ。しまなみグリーン・ツーリズム推進協議会事務局は、愛媛県東予地方局しまなみ農業指導班が担当しています。同班長の西岡さんにお話を伺いました。
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【取り組みを始めたきっかけ】
しまなみ海道の全線開通に伴い、自然環境や歴史、文化など豊かな地域資源を持つこの地域が注目される一方、主幹産業の農業が従事者の高齢化や柑橘類の価格低迷で地域の活力が失われ、耕作放棄地の増加が大きな問題となっていました。しまなみの豊かな地域資源を活用した体験交流を進めることで、多くの人たちにしまなみの良さを知ってもらい、地域の活性化を図っていこうと、生活研究グループから声が上がりました。
平成12年度には、県のグリーン・ツーリズム地域連携モデル事業を導入し、地域挙げての取り組みを目標にグループで何度も話し合いを重ね、平成12年6月に管内9町村(当時=現在では今治市と上島町)が連携して「しまなみグリーン・ツーリズム推進協議会」が発足しました。当時から各町村に活動助成金を依頼するなど、地域の理解と協力を得た活動を展開しています。
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| 体験メニューの種類と例 |
●ふるさとの味体験
(21メニュー) |
・タコ五目釜飯づくり
・魚の開き方教室
・いぎす豆腐づくり など |
●農・漁業の収穫体験
(26メニュー) |
・みかん狩り ・いちご狩り
・船釣り体験 など |
●暮らしの技体験
(8メニュー) |
・フラワーアレンジメント
・ラベンダーの小物づくり など |
●島遊び体験
(2メニュー) |
・赤穂根島自給大作戦
・潮流体験 |
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【現在の取り組み状況】
協議会には、「企画運営会議」のほか、「産直市連絡会議」「体験学習連絡会議」「農家民宿の会」「しまなみの食を考える会」の各部会があり、互いに連携し合って活動をしています。
現在のところ、57のメニューを用意して、訪れる人たちに体験してもらっています。体験メニューは毎年見直しされていて、「ブルーベリー狩り」や「ちりめん漁観光体験」などは、新しいメニューです。
「産直市連絡会議」では、しまなみ地域にある17カ所の直売所のネットワークづくりを行っています。「農家民宿の会」では、平成19年に3軒の農家民宿を開業し、昨年には新たに1軒が加わりました。また「しまなみの食を考える会」では、地元の新鮮な食材を活かし、季節に合わせた料理を提供する農家レストラン(3軒)を開業しています。
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| 産直市連絡会議による運営診断 |
「しまなみの食を考える会」活動のもよう |
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【利用状況】
初年度の平成13年度には僅か459人であった利用客が、平成19年度には、2万1000人にまで増えました。平成19年度に、前年度より利用客が倍増したのは、潮流体験の船の大型化によるもので、潮流体験は最も人気の高いメニューの1つとなっています。
平成14年からは修学旅行の生徒の受け入れを行っており、毎年、3〜5校が体験に訪れています。遠くは、東京や埼玉、大阪の中学校や高校から、また近隣の保育園や小中学校からも。
生徒たちは、みかん狩りやいちご狩り、地引き網体験やタコ飯づくりなど、様々な体験メニューに分かれて修学旅行を楽しみます。船釣り体験メニューは、学校側からの提案で誕生したのだそうです。
「大阪の中学校の生徒さんたちから手紙が来まして、素直にしまなみでの体験を喜んでくれていて、お礼の言葉が書かれていました。『家族とまた来たい』と書かれてあるものもあって、1枚、1枚読んでいて涙が出そうになりました。そのくらい、心のこもった内容でした。体験受け入れ先にも手紙を読んでもらいました」(西岡さん)。
修学旅行の受け入れは事務局が行っており、安全面への配慮など気を遣うことも多いのだそうです。学校の職員の人たちにアンケートを行い、良い点も良くなかった点も率直に意見を聞いて、受け入れの改善に活かしています。
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【上】船釣り体験
【下】たこ飯づくり体験 |
【上】みかん狩り体験
【下】いちご狩り体験 |
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【これからの展望】
●小学生の宿泊体験の受け入れ
『子ども農山漁村交流プロジェクト』による小学生の宿泊体験の受け入れを目指しています。同プロジェクトは、小学生が農山漁村で約1週間宿泊をし、そこでの生活体験をするというもの。
●ポイントカード制の導入
1000円を1ポイントとして、20ポイント貯まるカードを準備中です。20ポイント貯まると、1000円分の体験料金などに充てることができます。家族で使ったり、宿泊などした場合は、ポイントは直ぐに貯まりそうです。繰り返し訪れる人や複数の体験メニューを味わう人には大きな特典となります。
●募る!応援団
地元企業や商店に、しまなみグリーン・ツーリズム推進協議会の応援団になってもらい、連携して地域活性化に取り組んでいこうと考えています。
「(体験メニューなどを行っている人たちは)もてなしの心が厚いんですよ。儲けを目的としていない。誠心誠意でもてなし、来た人に喜んでもらうのが嬉しいんです」と西岡さん。しまなみ海道開通10周年の今年、さらに多くの人たちが訪れることを願っています。
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