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【2006.9月号】

教えて!冥王星のこと

〜総合科学博物館の学芸員さんに聞きました〜


 冥王星が惑星から除外されたということで、大きな話題になっています。冥王星はどうして惑星ではなくなったのか、冥王星とはどんな星なのか、愛媛県立総合科学博物館の学芸員・鈴木麻乃さんに、解りやすく説明をしてもらいました。


●冥王星が惑星(*1)から除外された背景には、どのようなことがあるのですか?
 私たちは長い間、9つの惑星が太陽の周りを回っているという太陽系の姿を勉強し続けてきた訳ですが、最近になっていろいろな天体が発見されたり、冥王星にしても木星にしても、以前はおぼろげであったものが非常によく解ってきたんですね。太陽系が、私たちがイメージしていたあいまいなものから、かなりたくさんの種類の天体があって、非常に複雑な形態であることが解ってきました。
 冥王星よりも外側は以前は全く解っていなかったのですが、最近は望遠鏡がずいぶん良くなって観測性能が高くなりましたから、冥王星よりも遠い所の天体がたくさん見付かるようになりました。冥王星よりも外側に、冥王星よりも大きい天体が見付かって、第10惑星ではないかと騒がれたりしました。このように複雑な太陽系が解ったことで、きちんと整理をして定義づけをしようというので今回のようになったんですね。

●冥王星とはどのような星なんですか?
 冥王星は他の8つの惑星に比べて異なるところがたくさんあります。大きさも全く違って非常に小さな天体ですし、成分自体も氷であって他の惑星とは異なります。太陽の周りを回る軌道も、他の8個の惑星はだいたい同じ平面上にほぼ円を描いて回っていますが、冥王星は楕円軌道で他の惑星の面よりもずいぶん傾いた状態で回っています。このような点で他の惑星とは異なった天体です。

●そのような点で除外されたんですね。
 いろいろな側面が解ってこないと、細かい定義付けはできないんですね。かなりあいまいに惑星と呼んでいたものが、冥王星と他の惑星との違いが解ってきたので、きちんと分類をしたということですね。惑星が8個になったという捉え方ではなく、今まで解っていなかった太陽系の姿が解ってきたので、細かく定義をしたと捉えて頂きたいですね。基本的には太陽系の姿は変わりませんので…。人間が惑星が8個であると言おうが、冥王星が他の8つの惑星とは違うと言おうが、同じように太陽の周りを回っています。

●惑星の定義を解りやすく教えて下さい。
 太陽の周りを回っている天体であること、自己重力(自分が持っている引力)がかなり大きくてきちんと球状になっていること、引力や遠心力などによって他の天体が掃き散らされてしまっている状態であること、この3つをクリアしているのが惑星ということです。
 最も簡単に言ってしまいますと、大きさがずいぶん関係してきますね。大きければ大きいほどきちっと自分で丸くなることができるし、大きければ大きいほど遠心力で周りを吹き飛ばしてしまったり、引力で引き寄せて結果的に周りを一掃してしまいますから。

●これから冥王星はどのように分類されるんですか?
 冥王星はdwarf planet(ドワーフプラネット)(*2)と呼ばれます。日本語での呼び方はまだ決まっていませんが、直訳すると「矮(わい)小惑星」という呼び方になるでしょうか。これからさらに検討が重ねられるそうです。

●今回のニュースをどのように感じていますか?
 実は冥王星が惑星の数から外れたことが、こんなに騒がれるとは思っていませんでした。意外なほど、たくさん質問を受けています。でも、これまで太陽系と言えば、太陽と惑星、または衛星くらいまでの興味であったと思うのですが、太陽系には惑星だけではなく非常にたくさんの天体があっていろいろなことが解ってきていますので、それらにも興味を持ってもらえるチャンスだと思っています。

用語解説
(*1)「惑星」の定義
  ・太陽の周りを公転するもの
  ・充分な質量を持ち、重力平衡形状(球形)であるもの
  ・その軌道領域において他の天体を掃き散らして支配的であるもの

(*2)「dwarf planet」の定義
  ・太陽の周りを公転するもの
  ・充分な質量を持ち、重力平衡形状(球形)であるもの
  ・その軌道領域のおいて他の天体を掃き散らしていないもの
  ・衛星ではないもの

※衛星ではなく、惑星、dwarf planetでもないもの全て=Small Solar System Bodies


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