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◆耕作放棄地の多い県
今年4月、農林水産省から発表された昨年度の全体調査によると、県内の耕作放棄地は約1万443ヘクタールで全国5番目の広さ。県内の全耕地面積約5万6千ヘクタールに対し、約18%を占める高い水準となっています。
耕作放棄地対策を担当する県の担い手育成推進室は、「愛媛は果樹県で、以前は価格も良かったため、傾斜地や日照の悪い谷地など条件が悪い場所でも栽培していたが、高齢化や後継者不足などで生産者が減り、条件の悪い所から耕作放棄をしているというのが本県で耕作放棄地が多い最大の原因」と分析します。
調査では、荒廃度によって耕作放棄地を3段階に分類しており、愛媛では約半分が、整備が著しく困難で復元不可能な土地とされました。同推進室では、「高齢化や担い手不在などで耕作放棄した土地を、農地の所有者が再び耕作するとは考えにくい。条件の良い土地が借り手を探している中、耕作放棄地を再生してまで使うのは難しく、これ以上耕作放棄地を増やさない対策をしていく方が現実性がある」と考えています。
◆対策のポイント
耕作放棄地の対策には、大きく3つのポイントがあります。1つは、「引き受け手をどうするか」。新たな引き受け手として注目されているのが、NPOや企業の存在です。宇和島の遊子で行われている段畑を守る活動、東温市の山あいの地域で始まった棚田を守る活動などは、地域住民らで作るNPOが事業主体となっています。
もう1つは、「何を作るか」。耕作放棄地は、農薬や化学肥料が長年使われていない土地であるため、有機栽培の「3年間農薬を使わない土地で栽培する」という条件に合致しており、有機JASの認証を取得するには近道として取り組まれている例があります。
もう1つは、「土地条件はどうか」。荒廃した土地の再生利用や施設の整備には、国や地方自治体が多額の予算を組んで支援しています。
◆法律の改正近づく
農地法改正について審議が進んでおり、今年度末にも施行される見込み。農地の減少を食い止めるために農用地以外への転用規制を強化するとともに、農地を利用できる対象の枠を広げて農業の振興を図る内容が盛り込まれる予定です。
もともと地縁なつながりを基に行われてきた要素が強い農業。耕作放棄地対策は、新しい担い手と地域との相互理解が重要な課題と言えそうです。
【耕作放棄地】
農林水産省が自治体などを通じて5年ごとに調査する農林業センサスでは、耕作放棄地とは、「1年以上作付けされず、今後数年も作付けする考えのない土地」と定義されています。 |