| 刺繍してすごす毎日 |
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明治42年8月10日生まれの満95歳。四国中央市中之庄町にお住まいの高橋武男さんは文化刺繍が趣味。去る9月6日〜30日、伊予銀行中之庄支店でロビー展「おじいちゃんの刺繍展」が開催されました。一針一針、絵を描くように糸を刺す文化刺繍。とても95歳とは思えない、繊細で美しい刺繍をする高橋さんを訪ねて、いろいろなお話を聞きました。 |
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観音寺市に生まれて農業を営んできた高橋さん。64歳の時に息子さんの住む四国中央市に移ってきてからは、楽器店の集金をするかたわら、息子さんのお嫁さんが経営する、自宅近くの『愛和幼稚園』の子どもたちのために、木のおもちゃなどを作って過ごしていました。「まだ早い」と誘いを断わり続けたゲートボールは77歳から、刺繍は88歳から始め、今はゲートボールと刺繍が日課の毎日を過ごしています。
ゲートボールの友達が、「高橋さん、あんた器用じゃけん刺繍してみな」と言うて材料をくれたんです。それが始まりで、現在までに146枚刺しました。
15日あまりかかります。細かいことが好きな方なんです。たったら(飽きたら)ちょっと休んでテレビ見て。ちっと休んで、もう手に掛かってこれをしよる(笑)。孫が来てからに、「まぁこたえずによう刺すなぁ」言うて笑うんです。
花、御所車、虎、鷹とか、いろいろありますね。虎は44枚刺しとるんですが、お宮さんからお寺さんから、近いとこから全部納めに行ってます。
そうですなぁ。私は刺繍が一番好きで、朝早うから、誰もおらんでも一人でできるいうことですかね。それが一番の楽しみと思っとるんです。
朝は4時半に起床して、この刺繍を始めるんです。6時が来たらテレビをつけて、テレビを見もって刺すわけです。朝ごはんが7時前くらい。ご飯食べて、また刺繍。8時がきたらゲートボール、11時半から帰ってきて、お昼は自分で何でもして食べます。ごはんを食べた後、1時間くらいテレビ見て休憩してね。それからまた8時半くらいまで刺すんです。9時から11時まで寝床でテレビ見て、それから寝て、4時半が来たら起きます。
歳いた(歳とった)お陰で、ちょっとの所に、けつまげる(つまずく)ことがあるんです。これを私は一番注意しています。
気をつけていることはこれといってないけど、ねぎ、にんにく、ニラは食べません。それと、この年になるけども、お酒を飲んだことがない。アルコールは体に全然入ってないですね。
一番好きなのは、餅、だんご。若い時にはねぇ、40個から50個くらいの2升の餅を、ひして(1日)に食べましたよ。
何じゃなぁ、くよくよせんこっちゃな。まぁ、ほがらかに日を送ることが一番。薬も飲んだことがない。94歳まで単車に乗りよりました。目も、この針に糸を通すんですけん‥‥。
作ったものをあげたりして、みんなが喜んでくれるのが楽しみです。それだけが私の生きがいでしてね。元気で刺しよるからね。喜んでくれるからね。
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元来器用だという高橋さん。文化刺繍以外に、五円玉細工や水引き細工なども趣味で手掛けています。作品を見せてくださいました。大工仕事も得意で、祭の時に出す幼稚園生サイズの本格的な太鼓台を、図面を引いて手作りしたとのこと。「幼稚園行ったら、子どもたちが『おじいちゃん、おじいちゃん』言うてくれますね」。
旅行にもよく行っていて、91歳の時にニュージーランド、92歳でハワイ、93歳で中国、94歳で北海道に行ったんだと、楽しそうに写真を見せてくれた高橋さん。「私は、日本全国行てない所ないんじゃけど、行とらんのは、佐渡島。『元気な間に連れて行ってあげようかな』と孫たちは言うてくれとん。あてにはせんと待っとるんじゃけどな」と目を細めていました。高橋さん、ますますお元気で。
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