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【がんばってます】最新号
   (取材:2004年11月)
・・・藤田さんの動画はこちら
伝統の味を受け継ぐ
藤田 直孝 さん
ふじた・なおゆき
(新居浜市・料亭『波満蝶』)

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 冬の味覚の王様と言えば『ふぐ』。ふぐ料理の中に、新居浜が発祥の名物料理があります。それが『ふぐザク』。今や市外、県外にまで知れ渡るようになりました。今回は、『ふぐザク』のルーツのお店・料亭『波満蝶(はまちょう)』(=新居浜市中須賀町)の3代目・藤田直孝(なおゆき)さんにお話を伺いました。藤田さんは昭和39年生まれの40歳。愛媛大学工学部卒で、市役所勤務も経験している異色の料理人です。

▼お店の跡を継ごうと思ったきっかけは

 子どもは僕しかいないので…。大学を卒業して就職をする時に、店を継ぐという気持ちがはっきりとある訳ではありませんでしたが、可能性があるのならということで新居浜で就職をしようと考えました。結果的に市役所に勤務していた訳です。

 3年くらいで結論を出すつもりでいました。3年経った時に、店の経営状態はどうかとか、店が世間から必要とされているかとか、自分自身の気持ちはどうかなどをハードルに見立てて、それらがある程度クリアできているようなら(店を継ぐことに)チャレンジしてみようと思っていました。3年経った時に、クリアできていると感じたので、やろうと決心をしましたが、それから準備に2年くらいかかりました。

ふぐザクは歯ごたえが命。
その歯ごたえのもととなる【皮】を、
食べられるように、2枚に下ろして
表面のイボを取るのです。
藤田さんの見事な包丁さばき。
たっぷりのネギの上には、
モミジおろしとカワハギの肝。
橙(だいだい)の香りと酸っぱさが
食欲をそそります。

▼どのようにして料理の修業をしたのですか

 27歳で一から始めました。どこかへ修業に出るのではなく、親父(芳夫さん)と一緒にする中で習っていきました。親父はあまり言わないので、私の方から積極的に取り組んでいきました。自分から教えてもらったり、見よう見まねで覚えていきました。

 外に出ていないので、料理の腕がどのレベルにあるのか自分では判りません。ある程度できるようになるには10年くらいは掛かったと思います。

 最初に味付けまでしてお客様に出したのは茶碗蒸しです。最初は親父が8で、私が2くらいの仕事をしていたのが、ゆっくりゆっくりと半々くらいへと移っていきました。親父は今年80歳で、元気に一緒に働いています。


▼波満蝶さんがふぐザクを作ったと言われていますね

 昭和14年から店をしているんですけれど、ふぐザクができたのはそれから1年か2年後のことらしいんです。今では新居浜市内のいろいろな店で出すようになって、『ふぐザク』のことが取り上げられるようになりました。

 もともとこの辺りはふぐの獲れる所なんですね。祖父(故・浅次郎さん)がふぐの刺身を待ちきれない常連のお客さんに、身をぶつ切りにしたものや皮を細かく刻んで合わせて出したのが最初だそうです。 


▼学生時代や就職していたことで今に役にたっていることは

 学生時代には学業以外にアルバイトを多種多様にしました。力仕事とかホテルのフロントとか、調理場の手伝いにも行きました。いろいろな仕事を見て、いろいろな世界を見て、いろいろな考え方を知ったのがプラスになっています。

 また新居浜に戻って就職したのも、もしも将来店を継ぐことになった時のことを思うと、人とのつながりを持っておきたいと考えたからです。今でも、お客さんとして来てくれます。


▼料理人としてのやりがいは

 店に来たお客様に喜んでもらうことですね。調理場と座敷は離れているので、直接お客様と話をする機会は少ないのですが、仲居さんからお客さんが喜んでくれている様子を聞いたりすると、やってて良かったなと思います。

 また私がこの道を選んだ時にも、店を継いだことを喜んで下さるお客様もいて、それが励みになりました。


▼親子でしていることの良い所と不都合な所は

 親子なので、言葉を交わさなくても相手のすることが解ります。こちらがどれだけすれば、相手がどのくらいするのか解ります。阿吽の呼吸ですね。感情がどうしても入ることがあります。年代も違いますし、考え方も違いますから衝突することもあります。それでも親子だから、すぐに解消します。


▼何か魚料理のコツを教えて下さい

 料理は手順を踏むことが大切だと思うんですよ。昔から決まったやり方というものがあるんで、その段階を抜くのではなく、一つひとつの段階を踏んで作る。たとえば煮魚だと、さっと湯通しをします。湯通しをすることで魚の臭みが抜けるので、美味しい煮付けになります。 

 波満蝶は、冬はふぐ、夏はオコゼがメインの料亭です。お刺身、煮付け、焼き物など、瀬戸内の魚の美味しさをそのまま引き出す料理に徹しています。会社関係の接待によく利用されていますが、2人からOKのお店です。近年、ふぐザクを目当てに来る人が多くなったそうです。
 「カウンター席を設けていないので、入りにくいお店のように思われますが、気軽に来て頂けたらと思います」(藤田さん) 


『料亭 波満蝶』
〒792-0012 愛媛県新居浜市中須賀町1丁目3−27
Tel (0897) 33-2810 Fax (0897) 33-2811
●お店のホームページ●
http://www.fuguzaku.com/

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