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【がんばってます】最新号
   (取材:2005年8月)

「好き」がはじまり

《亜州茶館(アジアンカフェ)店長》 
永尾 茜 さん (26)
ながお・あかね

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 松山の市街地を離れて、三津浜港に向かう道へ。中央分離帯にフェニックスが植えられた通りに入ると、右手に『亜州茶館(アジアン・カフェ)』があります。ベージュ色の外壁と亜熱帯植物に囲まれた建物の中は、まさにバリのカフェ。中庭に面した南側は壁がなく外とつながっているのに、さらっとした涼しさを感じる心地良い空間です。

 オーナーの娘さんで店長をつとめる永尾茜さんは、大阪で美術専門学校を出てテレビ局の小道具の仕事をしていました。亜州茶館のオープンを機に松山に帰り、インテリアやメニューをプロデュース。本人いわく「やりたい事はやらないと気が済まない」という性分で、オープンから1年、したいと思った事をひとつずつ形にしていっています。

亜州茶館(アジアン・カフェ)
バリ・アートギャラリー

松山市須賀町4-13
TEL 089-946-8366
▼お店がオープンするまでのことを聞かせて下さい

 バリは、15年くらい前にたまたま観光目的で訪れた父が先に好きになって。初めは父の会社のオフィスを一部改造してバリの家具や小物を扱うギャラリーをしていたんですけど、偶然この建物が売りに出て、こちらに移ってきました。1階がカフェ、2階がギャラリーになっています。父とは趣味とか性格とかが似ていて、2人でちょっとずつ築き上げてきたら、気付いたらこんなに大きなものになっていた、という感じなんです。

 私が大阪から帰って、「一緒にやっていこう」っていうような会話はないけど、「させたいんやろうな」とか「ここを任せとこう」とか、言わなくてもお互いだいたい分かって。じわじわと私もお店をして、気が付くと父はもう別の事をしていて、「あぁ、任されてる」って感じで。いつもそうですね。


 〜洋館風の建物は、元は愛媛女子師範学校の同窓会館『白楊会館』。昭和9年に建てられてから、廃校後も、同窓生や地域の人たちに親しまれてきた建物でした〜
▼ここがそういう建物だったことについては?

 カフェができる前は、歴史の大切はあんまり分かっていなかったんですよ。オープンすると、卒業生のおばあちゃん達が団体で来られたりして「ここで裁縫をしたんよ」とか語られるんですね。「あぁ、大事なんやぁ」っていうのが後から付いてきて。たくさん置かれてあった古い写真も保管しています。昔は結婚式にも使われていたみたいで、ウェディングをやってみたいっていうのもそこからなんです。


▼今は主にどんなことをされていますか?

 この前初めてこの店でウェディングをして、大成功して。衣装、料理、装飾、招待状、席次表、全部こだわりました。それまで全然知らなかった方と打ち合わせをして、いろいろと聞いて、1から作り上げていくのが楽しかったですね。

 他には、不動産屋からお話を頂いて、建築資材とか家具とかをプロデュースしていくモデルハウスを10月完成予定で準備中です。

 それと今度祝谷の方に、バリの建物をそのまま移築する形でカフェをオープンします。今後バリの建物でカフェをしたい方がいたら建築見本にしようと思っています。

中庭に作られたお堀

▼永尾さんにとってバリの魅力とは?

 ホテルでもショップでも、何を見てもお洒落。観光地を一歩離れると貧しい方もいるけど、でもどこにこんな感性があるんやろうって思います。バリはすごく神を信じる国で、そういうのが感性に出ているんですよ。私には絶対真似できないなって思います。


▼家具の買い付けなども、ご自身でされるんですか?

 ほとんどオーナーです。子どもがいるのでなかなか行けなくて。まだ2歳なんで。


▼子育て仕事との両立は?

 けっこう割り切っていて、保育園に行ってしまって一歩離れたら、仕事。戻ったら一生懸命子育てをして。メリハリを大事にしています。


▼どんなふうに育てていきたいと思っていますか?

 楽に、ラフに(笑)思うようにさせたいなって。でも、思うようにできるように、私がそういう環境であってあげたいと思っています。この子は何をしていくのかなっていうのが楽しみで、逆に言うとあまり何も考えてあげていないかもしれませんね。自分で考えていって欲しいなって。


▼ウェディングのお話を詳しく聞かせてもらえますか

  結婚当日まで本当に大変だったんですけど、当日の朝なんかは私がお嫁に行くんじゃないかっていうくらいの勢いで(笑)成功は新郎新婦の満足度と思っていて、後のことは一切考えていないような感じでさせてもらって。「良かったよー!」って言ってくれたのがすごく嬉しかったですね。人生の一ケ所にして頂いて良かったと思いました。

 相談しながら1回1回お客さんの形のウェディングを作っていきたいというのがコンセプトかもしれないですね。勉強したわけじゃないし経験もないけど、お店の個性を生かしながら、自分が気持ち良かったら周りも気持ちいいんやろうなって、あえてプロになろうとしてないんです。無茶苦茶なようだけど、これからもその形で、月1組くらい限定でやっていきたいと思います。

 二十歳頃は、やってみるけど結果が出せなくて悔しかったけど、今は、ウェディングをするとなればそれを一生懸命にして、できる達成感がたまらなくて。「やっとできるようになったなぁ」って。


▼これからの目標は?

 ウェディングと、モデルハウス、今はこの2つをどんどん進めていきたいです。でも、このお店をやっていく上で「私はこれ」っていうのを30歳くらいまでには見つけたいなって。

 口コミでだんだんとお客さんが増え、赤ちゃんからお年寄りの方まで年齢層は様々なのだそう。「みんなこの雰囲気が好きで来られていると思うんです」。永尾さんの「好き」のエネルギーが、訪れる人たちにも伝わっていっているのでしょう。

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