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年が明けたからといって、ことさら何かが変わるという訳ではないが、やはり年の初めは改まった気持ちになるものだ。年頭に当たり、今年はどのような1年になろうかと見渡してみると、『協調』あるいは『調和』を大事にしなければならない年になるだろうと感じている。
昨年は、『闘い』の年であると予想をした。今年は、その後始末をしなければならない段階だと思う訳だ。戦争のような大きな闘いもあれば、人と人との諍いもあり、個々の心の闘いもあるが、どのような闘いであるにせよ、闘いの後は、心さわやかに後始末をしなければならない。どのように後始末をしていくかが肝心だ。互いの立場がどうであれ、力を合わせて事にあたったり、和を保つべく互いに歩み寄っていくこと、つまり協調し調和する心が必要になるだろうと考える。
また自然環境との調和を図ろうとする動きも盛んだ。その一つの現れだろう、ガソリンと電気で走る低燃費・低公害のハイブリッド車は、今年需要を大きく伸ばすと言われている。温暖化の影響で2050年までに、100万種以上の生物が絶滅の危機にさらされるだろうと予測される今日、自然環境に対して人は、あらゆる点で調和の歩みを早めなければならない。
『人づくり』も、調和と協調が最も急がれるべき分野の一つだ。大人が精神的にバランスのとれた人間として成長していないために、子どもが事件に巻き込まれる。また反対に、精神的未発達の子どもが起こした事件で、大人社会が驚愕することもある時代だ。人に対して、あるいは社会的モラルに対して、協調したり調和する気のない人間が家庭に一人でもいれば、常に不安がつきまとい、誰もが願う平凡だが幸せな生活は、崩れてしまいかねない。人が求める幸せとは、集約して言うならば不安のない生活なのだ。
折から政府は昨年末に『青少年育成施策大綱』を決定した。子どもたちが社会的に自立した大人として成長するよう支援すること、そして大人社会の在り方を見直し、青少年の健全な育成は社会全体の責任であると捉えて、家庭、学校、職場、地域など社会を構成する人々が、相互に協力をし合うことの必要性を謳っている。
私は若い頃から、いろいろな形で青少年の健全育成に取り組んできた。今もNPO活動を通じて、子どもたちの体験学習の場を設けたり、相談に応じたりしている。月に1回行う体験学習は、昨年度半ばより一泊二日の日程に変えた。異年齢の子どもたちが、家庭とは別な場所で寝起きを共にすることで、学ぶことも多くなると考えたからだ。自分の思ったことや感じたことを発表する場や、ボランティア活動への参加も日程に盛り込んだ。
私は毎回まず最初に、小学1年生にも解るように、「仲良くすること。自分のできることを一生懸命にすること」と話をする。自分のことは自分でするのはもちろんのこと、グループ内で協力をし合わなければ、食事をつくることもお風呂に入ることもできない。このような経験の中から子どもたちは、決まりを守ることや譲り合うことや、年下の子どもの面倒を見ることや、人の話をよく聞くことなどを身に付けていく。核家族化が進み、兄弟の数も少なくなった今、家庭内だけでは経験できなくなった事がたくさんある。
子どもたちの体格は良くなったが、体力は落ちている。学力も低下してきた。精神力と言うか心の力はどうだろうか。心の弱さのために、すべきでない事をしたり、すべき事をしなかったりはしないだろうか。人づくりは、家の根幹、国の根幹だ。人が、体力、知力、心の力の調和をもって成長していかなければ、家庭の安定も社会の安心もあり得ない。
(教育情報新聞社代表)
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