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【自然花・れんげ草】最新号
   『教育情報』代表コラム (2006年7月)
躊躇なく人と会うには

 今の時代は比較的容易に、ありとあらゆる情報がHP上から取得できます。ですからとかく昨今は、情報の入手の多くをインターネットに頼る傾向が強いように思います。私自身をみても、毎日かなりの数のメールを頂きますし、インターネットでの情報収集は日課として欠かせないものになっています。しかしながら、インターネットだけでは収集できない情報がたくさんあるし、大切な事柄は本当はそちらの方に含まれていることが多いということを忘れてはいけないと思うのです。

 時折、所用のために東京へ出掛けています。事業を推進したり、あるいは行き詰まった問題を解決するためにアイデアを求められることもあり、出掛けるたびに各方面の様々な方々とお会いする機会を持ちます。そのような自分を見て、私はつくづく『アナログ人間』であると感じるのです。

 置かれている状況を打破するために、私はもっと詳しい情報を収集しようとします。その時に、このような人に会って話を聞いてみたらどうだろうとか、この役所に出掛けて調べてみるのはどうだろうと提案すると、たいていの場合、すでにインターネットで粗方の情報を入手しているものですから、そうしても無駄だとか、することは難しいと判断してしまって、行動に移さない人が多いのです。

 先日も、ある事業に着手したものの前を向いて進まないという人の相談を受けて、私はどこで止まっているのだろうと原因を探るべく動き始めました。周りの人間が無駄だと言っても、ここと思う会社を訪ねることにしました。実際に出掛けてみると、私が全くその業界とは無縁の人間であることがかえって功を奏したのか、意外にすんなりと担当の方に会って頂くことができました。初めての方であるのに、「お昼でもどうですか」ということになって、一緒に食事をする中でさらに話が弾み、ずいぶんと知識を増やすことができました。 

 さらに関係省庁にも出掛けて尋ねてみようと思い、担当課を探し当てて行きました。こちらの方とも時間外にお茶でもということになり、官の考えを聞かせてもらうことになりました。「東京へ出掛けてきたら、また声を掛けて下さい」と言ってもらいました。人と会って直接話を聞いたことで、物事の奥にある事情であるとか、基本となる考え方を知ることができました。ですから問題の収拾に向けてのアドバイスができるのです。

 そのような私の動きを見て周りの人は驚くのですが、他の人が躊躇する所へも訪ねていくことができるのは、私には相手にどう思われるだろうかという思惑が何一つないからだと思います。そのことで金銭を得ようという考えは毛頭無く、駆け引きも何もありません。人のことを思って行動しているだけなのです。私の一生懸命さに、相手が呼応してくれるのだと思います。

 若い頃、財界の陰の実力者と言われる人の所へ行くよう、用事を言い付かったことが何度かありました。行く前から相手の存在の大きさに畏れをなしていたのでは、すべきことを全うすることができません。たださせて頂くことを一生懸命にしてこようとする気持ちだけで出掛けて行きました。ですからどのような人と対面しても、動じることはありませんでした。生き方に関して、心の用い方に関して、一歩も退くものが私にはない訳です。その当時も今も、人とお会いする時の気持ちに差はないであろうと感じます。

 問題解決の方程式を解くには、パソコンの前に座ってデータとなった情報を得るのではなく、人に会って話をして、そこで血の通う生きた情報を得ていくことが大切です。共に歩いたり笑ったり、食べたり飲んだりする中で生まれてくる信頼関係があります。人と人との繋がりや縁を大事にしていくことは、情報収集という点においては多分にアナログ的ではありますが確実性は高く、生み出されるプラスαに価値があると思っています。


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