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内閣府主催の『女性に対する暴力に関するシンポジウム』に参加してきました。私が代表をしているNPO法人でも、動きはまだ小さいのですが男女共同参画社会の形成の促進を図る活動に取り組んでいるものですから、中央の動きを肌で感じてみたいと思い出掛けることにしたのです。
今回のシンポジウムは、女性に対する暴力そのものというよりも、配偶者からの暴力(DV)がいかに子どもへ大きな影響を与えているかがテーマでした。小児精神医療に携わっている人や、直接DV被害に遭っている女性や子どもを援助するDVサポートコーディネーターの方々の現場の声は切実で、現在大きく社会問題となっている家庭内での虐待やいじめにも深く関与する問題だけに、強い関心を持って聴き入りました。出掛ける前は長いのではないかと思っていた3時間半のシンポジウムも、あっという間に過ぎた気がいたしました。
しかしながら話を聞いて現状の把握とこの問題への理解を深めることはできましたが、解決策を見出すにはいたらないというのが正直なところです。個々の置かれた状況や事情が異なるだけに、家庭内の問題にどれだけ踏み込んで助けられるのか、どのような支援を行うことが悩みに直面している人たちを本当の意味で救うことになるのか、課題が山積であると感じます。またDVにしても虐待にしても、死に至らしめる数が想像以上に多く、事態の深刻さを痛感しました。
私は20代の頃より、青少年健全育成の活動を行い、家庭の問題などの相談事にも携わってきています。幾多の相談事例を見てきて、子どもが健やかに成長するには、家庭環境が整っていなければならないことを実感しています。例えば子どもの素行のことで相談を受けても、結局は親から変わってもらって家庭を変えなければ、子どもが変わらないことがほとんどなのです。夫が妻を軽くみて侮っていれば、子どもは母親に対して同じような振る舞いをします。反対に妻が夫をないがしろにした言動をしていると、子どもは父親を軽んじます。父親の権限が余りに強く、母親がいつもビクビクした生活をしていると、子どももビクビクしている訳なのです。家庭の中で夫と妻のバランスが旨く取れていなければ、子どもも大きくその影響を受けます。
最も近しい間柄の家族であっても、感情のはけ口にしたり押さえつけたりしていて良いはずはありません。他人になら遠慮がありますから自制できても、夫婦であったり親子であったりするからこそ、わがままがまかり通り自制が甘くなります。私は、家庭にもコーディネーター(調整役)が必要だと考えています。心の持ち方や用い方を身に付けて、家庭の中のコーディネーターになって下さいと呼びかけています。家族と言えども、個々は自我を持った別個の存在なのですから、『親しき仲にも礼儀あり』の言葉が当てはまる訳なのです。
小さな子どもにとって親は、信頼のおける唯一無二の存在です。そうでありながらDVを目の当たりに見ながら育つ子どもや、親から虐待を受けながら育つ子どもは、心の中にどのようなものを育てていくでしょうか。家族の中に、夫婦、親子の間の調整役の務めを果たす人がいれば、家庭内の問題はずいぶん少なくなるだろうと思います。
『母なる大地』という言葉があるように、女性は大地にたとえられます。また男性を天空や太陽にたとえる例もあります。それらは、男性や女性が本来持っている特質を言い表しているのです。どちらも『生育』には必要な要素です。家庭を築くことも子どもを育てることも何ら資格は必要とされませんが、せめて特質を活かすことくらいはできるようであってもらいたいと思うのです。それが家庭の中のコーディネーターの役割を果たすことになっていきます。
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