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   『教育情報』代表コラム (2007年9月)
『大和ミュージアム』
探訪

 先日、まだまだ陽射しの厳しい中を、子どもたちと一緒に『大和ミュージアム』へ見学に行ってきました。毎月行っているジュニア練成会の一環です。ジュニア練成会を始めてすでに15年になります。態度訓練や飯ごう炊さんは基本的なこととして指導していますが、自然と触れ合う体験学習を行ったり、社会性を身に付けるために今回のような見学も取り入れています。
 3カ月ほど前に所用で呉市に行く機会がありました。松山から呉までは高速艇で約1時間の距離です。呉の港に降り立つと、目の前に『大和ミュージアム』と本物の潜水艦を展示している『てつのくじら館』がありました。「これが話題の博物館だな」と思いつつ、先に用事を済ませることにしました。市内で人と会う約束をしていたのです。
 その席上でも、両館のことが話題になりました。大和ミュージアムというのは愛称で、正式には『呉市海事歴史科学館』というのだそうです。開館から2年余りで入場者数が300万人を突破したと言います。また今年開館したてつのくじら館も、入場者数が順調に伸びているとのこと。まちの活性化に大いに貢献しているということでした。見学してみたいと思ったのですが、その日は火曜日であいにく両館とも休館日でした。
 こんなに人が興味を示すもの、人を惹きつけるものはどのようなものなのか、子どもたちにも見せておきたいと思いました。また史実を知ってもらいたい、歴史から学ぶ機会にしてもらいたいと思いました。私の世代も戦争は知りませんが、まだ身近な所に体験者がたくさんいて、生の証言を聞く機会が多くありました。今の子どもたちは本当に何も知りません。それで今月のジュニア練成会では大和ミュージアムの見学に行くことを提案したのです。大和と言っても『宇宙戦艦ヤマト』すら知らない子どもがほとんどでした。
 松山から高速艇で出掛ければごく近いのですが、東予方面の参加者のことも考慮し、今治で合流してしまなみ海道経由で行くことにしました。片道4時間近い長旅となりましたが、車中ではアニメ『火垂るの墓』や映画『男たちの大和』のビデオなども見ながら出掛けました。
 館内に入ると、まず大和の10分の1の模型が目を引きました。模型と言えども、全長26メートル余りもあるのですから、かなりな大きさです。この日も入場者が多く、大和に関する展示コーナーはごった返していました。他にも零戦と呼ばれる飛行機や人間魚雷の実物が資料として展示されています。乗組員の遺品や遺書に、足を止めて見入る人の姿が多くありました。先人の尊い犠牲の上に成り立っている今の平和を思う時に、青少年の育成をしっかりと行っていかなければとの思いになるのです。
 小学校の低学年から成年までの幅広い子ども達は、各年代でさまざまな感想を持ったようです。小さな子ども達は、模型や実物展示の大きさと迫力に驚いていました。ゲーム感覚で科学を体験するコーナーがとても楽しかったと言っています。高学年以上になると平和を願う思いや、高度な科学技術を実感していました。
 人の大勢いる広い館内に入った途端、子どもたちは「ここではぐれては大変だ」と思ったのか、高学年が低学年の面倒をよく見ていました。日頃の訓練の成果が現れて、集団行動もできていましたし、他の入場者との関わりもスムーズに行われていました。その間に中高生以上の人たちは、じっくりと館内を見学することができました。
 1年生くらいですと、「遠くへ連れて行ってもらったな」ということだけが記憶として残るでしょうが、それで良いと思っています。見ること、体験すること、習ったことを実践することが大事です。子どもたちの感じる心を大切にしてやりたいと思います。


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