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   『教育情報』代表コラム (2010年1月)
NPO法人化

  10周年に思う

 私はよく、「世の中に偶然は無く、全てが必然である」という表現をします。何の因果関係もなく、予期していなかったことが起こっているようでいて、その実それは、自然の采配の下、巧妙に組み立てられた上に成り立っているのではないかと思われるものがしばしばあります。

 昨年12月13日、私が代表を務めるNPO法人では、法人化10周年の記念行事を行いました。その日に行事を行うことは、一昨年の11月に決めました。法人が設立されてちょうど10年に当たるその日は、日曜日であることが判っていたものですから、人に集ってもらいやすいであろうと考えたのです。
 任意団体として十数年間活動を続けていたものを、平成10年12月に特定非営利活動促進法が施行されたのを契機として法人化に踏み切ることにしました。平成11年度に入って書類作りに取り掛かり、暑い夏の日に申請書の提出を行いました。認証が下りるのを待つ4カ月を、ずいぶん長く感じたものでした。その間、認証が下り次第、短期間で登記を行うことを目標に、登記手続きの書類準備も進めていました。12月8日付で認証が届き、すぐさま登記手続きを行ったのです。
 土日を挟んでいたものですから担当者から、「月曜日(平成11年12月13日)には登記申請ができますが、あまり日が良くないので大安の日を選んで登記しましょうか」と話が持ち込まれました。私は「登記の準備はすでに整っているのだから、日を選ばずに行って下さい」と言いました。それでその日が、法人の誕生日となった訳なのです。
 法人設立の年月日を問われることも多いのですが、平成11年12月13日ですから、11・12・13と覚えておけば良い訳で、誰もが覚えやすい日にちになって良かったと思っています。登記時に日を選んでいたら、今回のように10周年の日が日曜日にぴたりと当てはまることにはならなかった訳ですから、不思議なものの積み重ねがあるものだと思っています。

 偶然にそうなったようでいて、法人化の手続きを行おうと決めた時点から、物事というのはこうなるように決まっていたのかも知れません。法人設立の認証申請に必要な書類を揃えるための日数や、行政が認証を下ろすまでに掛けた日数、また登記申請を行った日そのものも、成るべくしてなったものではないかと思います。また12月の日曜日でありながら広い会場を確保することができ、当方で心おきなく使わせてもらうことができたのも、組み立ての中の一環であったかと思わせるものがありました。
 それともう1つ、絶妙な物事の一致があるのです。実は私には、一昨年の12月13日に生まれた孫がいます。もちろん記念行事の日程を決めた時には、まだ生まれてはいませんでした。記念行事の当日はちょうど満1歳の誕生日とあって、行事の中に祝いの場を設けてくれていました。このように孫の誕生日と重なったことも、不思議としか言いようがありません。
 記念行事では、『未来につなぐ』をテーマに講演を行いました。非常に分かり易いテーマであったと思います。未来に残すものは何であるかを考える時に、孫に伝えていきたいものは何なのかを思えば良いのです。小さな孫たちが世代をつないで生き抜くために、大人たちは何を考え、どのようにすべきであるかをお話しさせてもらうことにしました。

 申請だの、手続きだの、行事の開催だの、それらの1つひとつは人間が作ったもので、人間が組み立てていったものです。それでも平成11年12月13日と、ちょうど10年後のその日は、人間が選んだのではなく、自然の流れに沿って物事が進む中で選ばれた1日となったのです。10年たって、多くの人とその日に記念の行事を行うことができました。いろいろの不思議を織り込みながら、物事は成り立っていくものだと感慨深く思います。


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