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私が所属しているNPO法人では、提案した事業が愛媛県の森林環境保全基金の公募事業に採用され、昨年秋より実施しています。その事業の一環として、間伐現場の見学会や間伐材利用の木工教室を開催し、親子で参加してもらって好評を得ました。
先日は同事業とは別に、子どもの体験イベントの中に、間伐材の木の皮を剥ぐ作業を組み入れてみました。ほとんどの参加者が初めての体験で、手に手に道具を持って挑戦していました。小学校低学年の子どもでも、道具の正しい使い方を教えると、木の皮が剥けるのが面白いらしく、集中して作業に取り組んでいました。
皮が剥がれやすい木もあればそうでない木もあり、中には虫の入った木もあったりして四苦八苦したものの、1時間半ほどで20数本の木の皮を剥くことができました。1本の木を数人掛かりでしていて、初めに「口を動かさないで、手をしっかりと動かすように」と注意をしていたからか、無駄なおしゃべりが無く、最初にヒノキの白い木肌が現れると「うわぁ!」と声が出て、それからはその事だけを追いかけているように見えました。参加者の、真剣で、それでいて楽しそうな様子を目にすると、このような体験も良いものだと思いました。
私自身も、時には間伐現場の森を見に行ったり、木工教室で参加者の製作を手伝ったりして、木と触れ合う機会が増えました。先日も、間伐材を利用して日常に使う物ができたらと思い、弟と一緒に作ってみました。私くらいの年齢になりますと、兄弟で一緒に何かをするのは、商売であったり事業であったりするのでしょうが、私の場合は、弟と共に遊び心で物を作っては楽しんでいるのです。
兄弟と言いましても年齢が離れているものですから、小さな頃には一緒に何かをした記憶があまりありません。子守をして面倒を見ていたことはあっても、相談しながら何かをしたことはありませんでした。時を超えて共に50代になっている兄弟が、「ああしよう」「こうしよう」と言いながら物を作っているのです。弟は作る側で、私はあれこれと注文を付ける側です。私がわざと難しい注文を付けると、若い頃なら弟は「そんなことはできない。自分でしてみたら」と言葉で応酬したのでしょうが、今は、工夫をして何とかしてみようとしています。
この度は、実に面白い机が出来上がりました。私が「こんな風に作ってみよう」と言いますと、初めは「それはどうかな?」と思っていたようですが、仕上がってみると、世界に一つしかない机になりました。決まり切った形ではなく、ちょっと変わった形の机なのです。脚の付け方が凝っているものですから、製作には思っていたよりも時間が掛かりましたが、何とかその日の内に作り上げることができました。
制作中には、小さな孫もやって来て、木の切れ端などで無邪気に遊んでいました。弟が作っている様子を眺めながら、また私自身も製作に加わりながら、心がほこほこと温かくなるのを感じました。私と弟、そして孫がいるこの空間に、何とも言えない雰囲気が醸し出されているのです。それは私だけが感じていたものかも知れませんが、実に居心地の良い時間帯でありました。この年代になって、兄弟でこのような楽しい時間を共有しながら、物作りができる環境を嬉しく思います。
出来上がった机を持ち帰って部屋に置いてみますと、ヒノキの白木の机はその場所にしっくりと馴染んでいるように見えます。机の天板には、今読み進めている数々の本や娘が活けてくれた花を置き、棚板には使い慣れた茶器を並べてみました。大事にしているものを置いています。
していることに意義があり、さらに楽しみを見付けてほのぼのとした心地よさを感じることができるのは、ありがたいことだと思います。
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