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〜実家の食料品店を拡張して後を継ぎ、一家でスーパーを経営していた高橋さん。酒販の自由化から厳しい価格競争の時代に入った頃、趣味のアウトドアの店舗が地域になかったことから転身を決意。家族中の反対に遭いながらも、生き残りを懸けて店の一角でアウトドア用品の販売を始めたのが13年前のこと。その4年後には全面をアウトドアの店に改装し、本格的に営業を始めました〜
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●同じ小売業ということで、経験が生かされたのでは?
それが全く違う世界で、スーパーは問屋さんにものが言える買い手市場。ところがアウトドアの場合は、メーカーが代理店制をとっていたり、実績がないと取扱いできないブランドも多かったり、こちらから申請してOKが出て初めて取り引きができるというもので、気軽に始められるという感じではなかったですね。
●店を始める前から山には登っていたのですか?
アウトドア全般はしていましたが、本格的に山に登り始めたのは店を始める直前くらいから。物を売る以上は行っておかなければと思って、まず地元の山の会に入って経験を積んで、全国各地の山や海外にと幅広く行かせてもらいました。
店でも山の会を持っていて、登録メンバーは200人くらい。お客さんの声を聞いてイベントを計画して、山に限らずいろいろな所に行っています。
●専門店ならではの強みは?
今はネットで何でも買える時代ですが、お客さんの大半は、果たしてそれを買って正解かどうか分からないという人。靴1足にしても、きちんとアドバイスをして合うもの選んでくれる所を求めて、遠方からも口コミでお客さんに来ていただいています。
うちのような店を、我々の業界では「山店」(やまてん=山に特化した店のこと)と言いますが、この仕事を始めて実際に山で死にかけるくらいの経験もしているので、道具の善し悪しが分かった上で、下手な物は売れないと考えている訳です。
●仕事全体を10としたら、どのような比率ですか?
店でしていることが全体の7くらいで、残りの3がイベント事。店の7の中でも、3くらいはお客さんとのコミュニケーションというか、無駄話ですね。
お客さんの中には会社の社長さんやお医者さんもいますが、山に行ったら学歴や社会的地位は関係なく皆平等。だから、お客さんからダイレクトに何でも言ってもらえる雰囲気を一番大事にしています。しんどい時は、我慢せずに言ってもらった方が楽しく過ごしてもらえる。僕も何でも言わせてもらう。「商売気があるのかないのか分からない」とよく言われますが、店と客という垣根がないですね。
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〜仕事のハードさに、店をやめようと思っていた時期もあったと言います〜
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そんな時に、山の師匠に相談したんですよ。そしたら、「やめてもいいけど、クロスポイントで道具を揃えたお客さんは、これからどうしたらいいの?レールを付けたんだから、できる限りそのお客さんに応えるのが売った側の責任だろう」と言われて、そういう考え方もあるんだと思うと、自分がやめたいからやめるでは駄目なんだと最近感じるようになりました。確かに、「やめたら怒るで」と言われたり、店長が行くなら自分も行くと言ってくれるお客さんがいるのは事実で、もう物を売る仕事ではなくなっているんですね。
スーパーをしていた頃は、正直、業者を叩いて買うのが美徳で「やり手」だと思っていたので、当時の自分はすごく傲慢だったと思います。ちょうどその頃に胃を切って、助からないかもしれないという状況になって初めて、人間の人生などはあっけないもので、お金でどうにかできるものではないんだと思いました。
この店を始めてから、お客さんに助けられて、人と人とのつながりが大事なんだと深く感じて、人生観が全く変わりましたね。今は仕事が最高に楽しいです。
クロスポイントという店名は、「何かが交差する場所になれば」という思いから。お客さんがふらっと立ち寄り、物でないものを買っていく、そんなお店です。
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