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電気自動車(EV)開発に着手 〜愛媛県〜

 愛媛県は1月18日、2010年度から、電気自動車(以下EV)の独自開発に向けたプロジェクトを立ち上げると発表しました。自治体が主導となって取り組むEV開発プロジェクトは愛媛県が全国初です。

 県が発表したプロジェクトの概要(素案)は次の通り。


電気自動車開発プロジェクトの概要(素案)

1.目的
○成長産業として期待される電気自動車関連の技術開発に取り組むことが必要。
○また、EV化による部品数の大幅な減少から、その影響が懸念される自動車関連部品製造業や新たな技術取得が必要となる自動車整備業界への支援のためにも、EV関連の技術開発に取り組むことが必要。
○電気自動車および電動漁船について、地域の産学官が結集して技術開発等を行うことにより、新たなEV関連産業の創出を図る。

2.実施体制
 愛媛県産業技術研究所に「愛媛県EV開発センター(仮称)」を新しく設置(センター長及び産業技術研究所研究員が従事)。センター長には、佐藤員暢(かずのぶ)徳島工業短期大学教授を招へい
 地域産業界及び大学等でプロジェクトコンソーシアムを構成し、地域の産学官が連携してEV関連技術開発等を実施。

3.プロジェクト
【1】電気自動車(EV)ビジネスプロジェクト
 コンバートEVに関する技術開発を行い、参画企業の技術蓄積を図るとともにビジネス開発を行うことにより、将来的なEV産業への展開につなげる。
【2】コンバート電気漁船(CEFB)ビジネスプロジェクト
 燃料費が約8割減少するなど、格段に燃費が優れ、漁場環境保全にも大きく寄与する日本初の沿岸漁業用CEFBに関する技術開発やビジネス開発を行うことにより、CEFB産業の創出をめざす。

事業を担当する、愛媛県産業創出課に話を聞きました。
○まず、概略を教えてください。

 今回のプロジェクトは二本立てなのですが、1つは電気自動車(EV)ビジネスプロジェクトです。電気自動車(EV)開発と聞いて、ゼロから電気自動車を作るとよく勘違いされるのですが、そうではなくて、既存のガソリン自動車のエンジンを電動モーターとバッテリーに積み替えて電気自動車にする、コンバートEV(改造電気自動車)の開発です。

 もう一つは、コンバート電気漁船(CEFB)ビジネスプロジェクトです。燃料費が約8割減少するなど格段に燃費が優れており、漁船環境保全にも大きく寄与するものと考えています。こちらのプロジェクトに関しては、宇和島市のIT企業・アイティオー(株)を中心に、えひめ先進環境ビジネス研究会「海のEVプロジェクトチーム」が愛媛発の漁船電動化コンバート技術を核として、国内初の沿岸漁業用電気船の事業化により燃料費の削減をし、漁業経営改善と二酸化炭素削減の環境保全を同時に実現できる取り組みを行っていますので、県も後押しとなる取り組みをしていこうと思っています。昨年12月9日には宇和島港でテスト船(改造型電動船外機)の走行実験にも成功しています。

○今回、EV開発に取り組むことになった経緯は?

 愛媛県の経済成長戦略2010の中に、低炭素社会ビジネスという項目があり、その中で、EVが、今後、成長産業の一つとして非常に重要なものとして位置づけられるであろうと予想されることから、産学官で連携してEV関連産業の創出を図ろうと考えました。

○ ハイブリッド技術も盛んな中、何故EVなのですか?

 ハイブリッドはエンジンを使うので二酸化炭素を出しますし、ガソリンも使います。その点、EVは、走行時に二酸化炭素を出さない「究極のエコカー」とされ、国際的にも開発競争が行われています。環境問題が騒がれている昨今、EV車が成長産業となることは間違いないと思いました。また、技術的な観点からすると、ハイブリッドは複雑な構造を持っているので、県がそこに介入するのは、なかなか難しいと思うのですが、EVは比較的構造が簡単で部品点数も少ないので、県内企業の参入が可能だと判断しました。
 愛媛県産業技術研究所に「愛媛県EV開発センター(仮称)」を平成22年4月1日より設置し、センター長として、20数年間、電気自動車(バッテリー、モーター等)の研究開発に従事されている徳島県工業短期大学自動車工業学科の佐藤員暢(かずのぶ)教授をお招きすることができました。今後、佐藤教授を中心に、車両を制御するコントローラーなど主要部品をキット化し、県内のベンチャー企業に参加をしてもらい、既存の工場での組み立てを想定しています。既存のメーカーの車両、協力企業の設備を利用し、コスト削減に取り組みたいと思っています。

○今後の課題は?

 EV車は普通の車に比べてバッテリーのコストが高いのです。また、充電1回当たりの走行距離が短いため、充電スタンドの設置など地域のインフラの整備も必要となってきます。このうち、バッテリーについては現在各社が技術開発しており、今後コストは安くなっていくと見込んでいます。走行距離の問題については、まずは個人ユーザーではなく、配達業務やタクシーなど比較的近距離で利用する企業をターゲットにし、ゆくゆくは一般の個人ユーザーにも対応できるようにしていきたいと考えています。

○期待することは?

 県内企業の成長が一番の目的なので、EV開発に取り組むことによって、今まで自動車関係の部品などを取り扱っていない企業にも新しく参入して頂いて、新しい産業が生まれることを期待しています。船については、愛媛県は養殖業が盛んなので、ぜひ成功させたいと思っています。


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