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   ショートコラム (2007年8月)
神話を崩さないで

 社会保険庁の記録管理のずさんさが大きな社会問題になっています。過去の記録は誤りなく管理保存されているであろうと信じて、掛け金を払い続けてきた人たちにとっては、ショックは大きいものがあります。また国が行っているので信頼に足りるであろうと思っていたものが、見事に覆されたのですから唖然とする思いです。
 その唖然としているのと同じ感覚を、以前にも味わった気がするな、と感じていました。何だったのだろうとあれこれと考えていると、「あっ、あの時と似ているんだ」とやっと思い出しました。それは、ステンレスのバケツの中での臨界事故です。1999年のあの当時、多分野において最先端技術が発達した日本の国で、しかも核には敏感なはずのこの国で、あまりにも稚拙としか思えない方法で核物質を扱っていたことを知って驚きました。
 どちらの件でも、私たちが住んでいるこの国はこのくらいのレベルにはあるだろうと、勝手に少し高めに想定している節があって、それが現実を突きつけられて「実はそうだったんだ」と認めざるを得ない状況なのです。何かに付け「神話が崩れた」などと表現されますが、信じているものを裏切らないでもらいたいと願います。
 今日も泣きやまない2歳のわが子に腹を立て、殴って死なせてしまった若い母親の事件がニュースになっていました。母親の体調が悪く精神不安定だったということです。幼い子どもを殴ればどうなるか、心にブレーキはかけられなかったのでしょうか。親の子どもへの虐待は確実に増えてきています。子どもの為なら我が身を削ってでもと思う母親像は薄れてきているでしょうか。母性だけは、崩れる神話の1つにしたくないものです。 (U)


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