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7月のある日、近くの神社の森から賑やかにセミの声が聞こえてきて、「あっ、今年初めて聞いた」と思いました。セミの声が聞こえてくるのは、例年より遅かったなと思っていたのですが、その日以来、セミの鳴き声の賑やかなこと。いちょうの並木道を通る時や、道路際に大きな木が並んでいる小学校の近くを通る時には、セミしぐれの真っ直中を突き進むという感じです。
朝早くからかまびすしいセミの声を聞くと、「今日も暑い1日が始まった」と感じます。けれども夜になって辺りが暗くなると、セミの声は静まります。セミは明るい時に鳴いて、暗い時には鳴かないとばかり思っていました。
先日、寝床に入った時に、外から聞き慣れない音が聞こえてきました。時折、プッツンとした音が聞こえてくるのです。規則性はなく、忘れた頃にまたプッツンと聞こえてきます。その音が一体何なのか、次第に気になって眠れなくなってしまいました。音の間隔は少しずつ短くなってきています。夜遅く帰ってきた息子に「これ、何の音だと思う」と尋ねると、「あっ、これ?セミですよ」と事もなく言います。
そう言われても、到底セミの鳴き声とは思えません。間もなく音は連続するようになり、夜中の12時を回った頃には、「セミかも知れない」と感じられる程度になってきました。午前3時を過ぎる頃にやっと、「これならセミだ」と納得するだけの鳴き声になってきました。
セミなら、ミンミンとかジィジィとかそれらしい鳴き方をするものですが、セミといえども初めから上手に鳴く訳ではないことを知りました。地上に出てからの幾日間を懸命に生きるために、ウォーミングアップをしていたのでしょう、きっと。(うさ)
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