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   ショートコラム (2009年11月)
おじいさんの

蛙の話

 子どもの頃、おじいさんから「蛙におしっこをかけられると、目が見えなくなる」とよく言われていました。子どもの時にはその言葉を信じていたのですが、大きくなってからは「あれは、おじいさんが言っていただけだったんだ」と思うようになっていました。

 昨日、テレビを見ていますと、蛙の体液が人の目に入ると、最悪の場合失明してしまうケースもあると言っていました。蛙の中には、そのように強い毒を持った種類があるそうなのです。番組では、蛙をくわえたまま死んでいる蛇も映し出されていました。地球上には、いろいろな生物がいるものだと思いました。

 昔おじいさんが言っていたことも、あながち根拠のないことではなかったのだと思うと、少し考え方を変えなければいけないなと感じています。迷信や言い伝えられている話も、現実にあり得るものなのだと、この年齢になって気付きました。今日は、故郷の祖谷に稲刈りをしに帰ります。すでにおじいさんはいませんが、言っているだけの話だろうと思っていた時期があったことを、詫びてこようと思っています。

 田舎で暮らしていた時には、四季折々の色を感じながら生活をしていました。夏には夏の色があり、秋には秋の色がありました。それらは私自身の感覚の中にあったのだと思います。「夏の色は?」と尋ねられると、私は、青と黒を思います。夏には光の中で木々は青く見え、一方、光が差さない森の奥は暗く黒い印象でした。冬は、雪景色が織りなす白と黒を思い起こします。
 山に囲まれた故郷であるが故に、山や森や谷川の景色の中で、自然の色を感じ、四季の巡りを感じながら、感性を育ててもらったのだと思います。  (T)


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