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   ショートコラム (2010年3月)
『つぶやき』



『ぼやき』

 『つぶやく』という言葉と、『ぼやく』という言葉があります。どちらも、ぶつぶつと何か言葉を出している様子を表現しているのですが、『ぼやく』は、愚痴や不平不満を言っていることが連想され、『つぶやく』は、それをあまり感じません。 
 子育てをしている時に大切にすると良いのは、何気ない子どもの『つぶやき』であると言われます。小さな子どもは、遊んでいる時やお手伝いをしている時、散歩をしながら空を見上げる時や川の流れを見ている時に、ぶつぶつと独り言を言います。そのつぶやきの中に、驚くような感性を見い出すこともあれば、子どもの本心を知ることもあれば、大人の知り得なかった感覚を知ることがあります。
 幼い子どもがぼやくことはほとんどなく、ぶつぶつ言っているのはかわいいつぶやきです。そのつぶやきを聞き流すのではなく上手に捉えていくと、感性を育てたり感覚に修正を加えたりする糸口にすることができます。子どもがつぶやいた言葉に関心を持ち、感動することは、非常に大切なことなのです。
 これが高齢者になってきますと、『つぶやき』も『ぼやき』も同類になりかねません。それは、お年寄りがぶつぶつ言っている言葉を、聞く側がどう受け取るかで違ってくるからなのです。同じ言葉を聞いたとしても「ぼやいている」と受け取れば、愚痴や泣き言を言っていることになってしまいますし、「つぶやいた」と受け取れば、そこまでのマイナスの感情は入ってはいないことになります。
 高齢者のぼやきも、受け取る側の心次第でつぶやきに変えることができます。それだけのことで、より良き人間関係を保つことができるのではないかと思います。 (T)


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